コラムNo.112 うちにはお金がいくらある?

 

 店舗ビジネスでも何でもそうですが、経営に際して避けて通れないのが「お金」をどう集め、どう使い、どう管理していくかという「財務戦略」を構築することです。戦略と言ってもそう難しく考え得る必要は全くなく、自社の経営計画をもとに、調達、投資、管理を地道に実行する道筋をつくるだけです。

 

 しかしながら、小さな店や零細企業ではなかなか計画的なお金の集め方、使い方はできていないのが現状です。私が関わった先でも、「今、会社にどれだけお金があるのか」ということすらわからない経営者がかなりの確率で見受けられました。これは非常にマズい状況で、現状がわからなければ、いつ会社が破綻してもおかしくない危機的な状態だといえます。

 

 潤沢な資金があれば話は別ですが、小さな会社では資金的にぎりぎりの状況で経営されているところがほとんどです。そんな、いつ資金ショートするかも当然わからない、社員に支払う給料があるかどうかもわからない、という綱渡りな状況であるにもかかわらず、預貯金すら把握せず、経理、あるいは奥様に丸投げ、もしくは誰も何もしていないという何とも恐ろしい状態でほったらかしにされています。

 

 財務戦略を構築していない経営者の皆さんは、まず「今」を知ることから始めましょう。一体会社にはいくら現金があるのか。ここからいつ、いくら出ていくのか。そしていつ、いくら入ってくるのか。本当に簡単なことなんですが、結構な会社がやっていないのです。

 

 月末に資金がショートするとわかってから借入の申し込みをしても、すでに手遅れの場合が多く、毎月同じようなことで金策に走る経営者も少なくありません。せめて3か月後までの資金繰り表は作成して欲しいところですが、「そんなことをしている暇はない」「来月の売上もわからないのにそんな計画は意味がない」というセリフとともに、ご自身がしなくてもいいような作業に没頭し、忙しい、忙しいと仰られています。

 

 断言しますが、そんな会社、経営者に対して、金融機関はもとより誰もお金を貸してはくれません。どうなるかわからないことを、わからないままでほったらかしにするような経営者には信用も信頼も生まれないのです。

 

 繰り返しますが、財務戦略の第一歩は、現状を知ることです。できていないという経営者の方は、まず資金がどれだけあるのかを把握しましょう。そしてお金の出入りを過去、将来と確認しましょう。それだけで頭の整理ができます。お金の流れが分かれば、経営の軸がブレなくなり、自信を持った経営判断ができるようになるのです。