コラムNo.121 その笑顔は誰のため

 

 店舗ビジネスにおける経営資源の中で、最も重要で大事な資産は間違いなく「人」です。つまり経営者はスタッフを一番大事にしなければならないということです。どのビジネスでも当てはまることかもしれませんが、こと店舗ビジネスに関しては、お客様への直接、間接的なサービスに関わるスタッフの重要性はどんなに強調してもしきれないほどであり、そこを大事にできない店舗は間違いなく一番に淘汰されていくでしょう。

 

 と当たり前のことをつらつらと書いてきましたが、このことをわかっていない経営者が多いのが現状なのです。口ではスタッフを大事にしているといいながら、安い給料、長い労働時間、少ない休み、適当な社員教育で雑に扱い、仕事ができれば当たり前、できなければ叱責、という環境のままほったらかしにしている経営者は少なくありません。

 

 無論、小さな店舗ではなかなか細かいルールまでは手が回らないでしょうし、仮に決めてあったとしても意味がない場合も多いでしょう。しかし、2店舗3店舗と増えていっても、創業当時のまま、すべては経営者の一存で物事が決まる(経営者がその時その場にいなければ決まらない)会社は私の経験上からも多数存在します。

 

 これには様々な弊害がありますが、最も重大なことの一つに、スタッフのお客様に対する印象が確実に悪くなることが挙げられます。サービスレベルは当然として、第一印象が悪いと、お客様はその店を選ぶことはまずありません。スタッフの第一印象は店舗の看板以上に強いイメージとして残るのです。

 

 経営者がスタッフを大事にする、つまり労働環境を整備し、適度なコミュニケーションをとることをしなければ、それがスタッフの第一印象となって表出します。見た目は笑顔であっても、お客様はそこを敏感に感じ取り、言い表せない不安や不満を感じ、結果その店は選ばれません。

 

 繰り返しますが、店舗ビジネスにおいてスタッフの第一印象は何よりも重要です。そして第一印象は笑顔やお辞儀の練習といったことで本質は変わらず、見えない部分、スタッフの労働環境や社内の人間関係が大きく影響し、無意識のうちにそれがにじみ出てきます。それを覆い隠すことは誰にもできないのです。

 

 つまり経営者がするべきはスタッフが自然と笑顔になれる環境づくりであり、それがなければどんなに表面的な練習をさせたところで逆効果としかならないでしょう。スタッフに笑顔の強要をすることは百害あって一利なしなのです。

 

経営者の皆さん。

 

スタッフの第一印象を気にしていますか?

自然な笑顔が出ていますか?