コラムNo.122 ダメな経営者の典型とは

 

 店舗ビジネスで最も重要なことのひとつに、店舗の5S、つまり整理、整頓、清掃、清潔、躾を徹底することが挙げられます。これは製造業、サービス業の職場環境を維持、改善するための標語であり、広く知れ渡っているスローガンです。

 

 今さら解説するまでもないと思いますが、確認のために一応説明しておくと、整理は不要なもの捨てること、整頓はルール通りに収納し、すぐに使える状態にしておくこと、清掃は汚れを取り除くこと、清潔は整理、整頓、清掃した状態を保つこと、躾はこのサイクルが回るよう習慣化を促すこととなります。

 

 例えば、店内には不要な在庫、書類があふれかえり、収納場所はバラバラでどこに何があるかわからない状態、いたるところにホコリがたまり、ごみもそのままで常に汚く、誰も片付けようともしない。こんな状況の店舗の業績や行く末は誰でも想像できるでしょう。

 

 経験上、5Sがまったくできていない店舗はあまりありませんが、整理、整頓、清掃の一部が今一つ徹底されていないところは散見されます。よく見受けられるのはバックヤード内の書類の山積み、照明まわりや壁の汚れ、またディスプレイ用雑貨類にかぶったホコリです。

 

 これらは店舗側の人間としてはいつも見ている風景であり、その変化に気づかないパターンがほとんどです。そして気づいても後回しになりがちであるため、徐々に汚れやホコリがたまっていきます。スタッフからすればいつもと変わらない日常風景ですが、新規のお客様から見ると非常に目立ち、「なんだこの汚い店は…」となってしまいます。悪いことにお客様は思っているだけで伝えてくれません。そして黙って二度と来なくなるだけです。

 

 こうなってしまう最大の要因は店長あるいは経営者からスタッフが「躾」をされていないことであり、その本質は経営者の「怠慢」です。つまり経営者自身が店舗の良くない状態に「気づいていない」、あるいは「気づいていても言わない」のどちらかであり、どっちにしろダメだということです。

 

 そして最悪なのは経営者自身が整理、整頓、清掃を自ら行わないことです。いくら忙しいとはいえ、片づけて掃除をするくらいの時間は絶対に作れます。生半可な業績の経営者ほど自分は大して忙しくもないのに店舗には寄り付かず、現場の状態を把握しないまま、売上が下がるとすべて現場のせいにします。たまに来たかと思ったら、知り合いと遊びに来ただけか、店長にダメ出し(ズレにズレた視点です)をして満足げに帰ります。自ら掃除などは絶対にしません。

 

 5Sを徹底するには、まず経営者自身が率先垂範で行っていくべきです。汚い店には経営者の本質が可視化されていると思ってまちがいないでしょう。そんな店のサービスのクオリティレベルは言わずもがなです。結果、誰にも支持されなくなるでしょう。

 

 さて店舗経営者の皆さん。

自ら店舗の掃除をしていますか?

見て見ぬふりをしていませんか?