コラムNo.123 ここは何屋ですか?

 

 街中を歩いていると、本当に様々なお店があります。その中である一定数の店舗が「何屋」かわからない状態で営業しています。皆さんにも経験があると思いますが、「これはいったい何を売る店なんだろう…」「そもそも店なんだろうか…」「気にはなるが入りにくい…」といった感想を持つ店のことです。私の印象では美容室、雑貨店、カフェなどいわゆる「おしゃれ」を標榜している店にそんな傾向があるようです。

 

 もちろん、あえてその状態で営業し、分かる人が分かればいい、あるいは一見客には来てほしくない、はたまた会員制、完全予約制なので見てくれは関係ない…という店舗があることも承知していますし、それに対して特に否定するものではありません。

 

 しかしながら、大半の店では「狙って」やっているのではなく、自身が望んでいない「結果」として何屋かわからない状態となっているのです。それを経営者当人が理解していればよいのですが、まずわかっていないことがほとんどです。いくら良い立地でも、何屋かわからなければ、ニーズのあるなしに関わらず選ばれることはありません。

 

 そこから悲劇は始まり、「なんでこんなにおいしいのに売れないんだろう…」「うちのサービスはどこにも負けていない。それなのになぜお客が来ないのだろう…」と悶々とし続け、売上が取れないまま最悪廃業…ということにもなりかねません。

 

 一方、最近はネットでの検索でわかりにくい立地でも人気店になることは可能です。店舗の外観、内装、商品やメニューなどの画像はもとより、利用者のレビューからも情報を得ることができ、現地で歩いて探す前に予約、あるいは良さそうな店の目星をつけておくことができます。

 

 しかし、開業したてで全くの無名店舗の場合、ネットだけの情報でお客様から選ばれることは少ないでしょう。お客様が利用してくれなければレビューも何もあったものではありません。また開業したてでなかったとしても、苦戦している店は検索結果はもとより、広告費も使っていない場合が多いでしょうから、ネットからの集客には限界があります。

 

 隠れ家的店、知る人ぞ知る名店、悪立地なのに繁盛している店… 私に言わせれば、これらの店舗は「例外」と思ったほうが賢明です。最初からそこを狙ってもまず失敗することは目に見えています。素人が相当考えてやっても成功には覚束ないのです。

 

 店舗はまず誰から見ても「何屋」かわかることが基本です。「おしゃれ」「かっこいい」も大事ですが、優先順位は「わかりやすさ」が先に来ます。したがって、店舗のファサードや店前看板では「わかりやすさ」を重視するように心がけてください。見た一瞬でわかるような写真や文言を使いましょう。それだけで売上は上がるのです。