コラムNo.124 ”スタッフが辞める理由”になっていませんか

 

 店舗ビジネスをはじめ、経営者にとって必要な資質に「利他主義」があります。これはそんなに仰々しいものではなく、人のためになる、あるいはもっとライトに少しでも人の立場に立って、少しでもプラスになるよう考えたり行動を起こしたりすることと捉えてよいでしょう。

 

 要は他人を利するということですから、普段の何気ない言葉や行動でも相手にとって嬉しい、楽しい感情が発生すれば十分に利他主義的なことと言えると思います。人種、国家、階級、宗教などの違いを超えて、人間愛に基づいて全人類が平等に相愛協力すべきであるという博愛主義(大辞林)を持てとか、無償の愛を捧げなさいといったことではなく、少しでもギブをしていきましょうといった話です。

 

 「そんなことは当然だろう!」といった声が聞こえてきそうですが、あなたの周りには利他主義の人がどのくらいいるでしょうか?経営者の方々の中にも徹底した「超利己主義」を持った人がいるものです。

 

 私の存じている経営者の中にも超利己主義ともいうべき人がいます。とにかく自身が雇ったスタッフ(や周囲の人)に対して高圧的な態度を取り、自分がすべてだ。自分が正しいという思考でスタッフに接するため、スタッフたちは恐れおののいてストレスをため、短期間で退職をしていく…あるいは人が離れていく… 新たなスタッフが入っても同様に辞めていくため、徐々に人が少なくなり、店が回らなくなっていきます。

 

 私も当然アドバイスをしますが、聞く耳持たずで同じことを繰り返してしまい、結局自分一人になってどうにもこうにもならないという状況を招いてしまっています。結果その店は残念ながら撤退してしまうのですが…

 

 「利己主義経営者」の特徴の一つは、「他責主義」でもあることです。要は何か問題が起きたときに、人や環境のせいにするということです。この両輪の力は半端なく、ブレーキが利きません。自分にとって利益にならないことや失敗は他人に擦り付け、利益や成功になることは自分の手柄としてすべて持ち帰る。程度の差はあれ、こういう人は実際に存在します。

 

 私の経験上、利己主義&他責主義は治る見込みがほとんどありません。この人たちは反省しないのも特徴なのです。ある意味サイコパスとも言えそうですが、とにかく周囲の人が疲弊していくため、その扱いに非常に困ります。特に経営者であれば、影響力も大きいことからその被害者も多くなってしまいます。

 

 雇われているスタッフが経営者を変えることは不可能ですので、早々に退職することが一番の解決策となります。また、もし自分がそういう経営者であれば(ほとんど自覚しないため、この仮定は意味がありませんが…)本気で変える努力を一生続けていくことが必要でしょう(それでも変わるのは難しい)。

 

 利他主義と利己主義の人できれいに分かれるわけではなく、一人一人の中で入り混じっています。その傾向がどちらかにブレたときに特徴が分かりやすく顕在化するのです。さきほど治る見込みはほとんどないと言いましたが、全くのゼロではありません。自分の価値観を変える大事件があれば変わることがあります。例えば事業の大失敗や、大病、大事故、罪を犯して逮捕… などなど、ここまででなくても、ショックが強い出来事で変わる可能性はあります。

 

 ともあれ、人の性格や価値観はそう簡単には変わりません。だからといってあきらめる必要は全くありませんが、「今までの自分」を変えるにはいずれにしても相当なパワーが必要になります。さらに年を取ればなおさら変えていくのは難しくなります。

 

経営者の皆さん。

自分のせいでスタッフが疲弊していませんか?

それに気づいていますか?