コラムNo.129 顧客の顔と名前が一致していますか?

 

 店舗経営と切っても切れない関係がある、というよりも店舗経営そのものと言った方がよい業務に「顧客管理」があります。開業したての店では、いわゆるお得意様と呼ばれるお客様はほとんどいませんが、年月が経つにつれて、自店を支持してくれるお客様が増えていき、その集まった情報をもとに顧客へのアプローチを行っていきます。

 

 顧客管理と言っても様々な業務がありますが、まずは自店を利用していただいたお客様の「情報を得る」ことが通常は最初に来ます。最近ではスマホを使って、SNSなどで情報を収集することもできますが、もっと細かな情報を得るには、お客様から直に集めるしかありません。顔と名前が一致するのは当然として、住所や電話番号、SNSのID、さらには職業、趣味や家族構成などを事細かに知ることは、個店ではなかなか大変です。

 

 一方でGAFAGoogleAmazonFacebookapple)と呼ばれる企業群は細かな個人情報を大量に保持しており(公開はしませんが)、利用した個人すらも把握していない趣味嗜好を分析し、先回りしてお勧めするレコメンド機能などは我々の日常となっています。最近ではさらに精度も上がってきている印象です。

 

 個店が同じようなことをやる必要は全くありません。というよりビジネスモデルが違うので同列で話すことに意味はないと言えるでしょう。GAFAにとっては情報自体が商品とも言え、その膨大なデータに価値があり、広告収入が比較的大きいのが特徴の一つです。

 

 個店としては、GAFAのプラットフォームを使わせてもらい、広告を使って認知度を上げていくことが当たり前の戦略と言えます。広告で知ったお客様が来店し、利用して気に入った時に初めて個店にとっての価値ある個人情報が手に入るのです。

 

 広告を何もすることなくただ漫然と店舗を運営していても、お客様が勝手に増えていくことはありません。店舗にとっての顧客とは、まず自店の商品、サービスを利用してもらうところから始まるのであり、顧客を増やすには、当然ですが自店を知ってもらうことが先決です。

 

 知ってもらう、つまり店舗の認知度を上げるには、どうしても広告から逃れることはできません。広告を活用して集客を促すことが顧客化への第一歩であり、顧客管理のスタートでもあるのです。

 

 ただし、せっかく広告でお客様を集めても、実際の店舗での仕組みができていないと、いわば「ザル」で水をすくうような状態となります。利用客に対して、しっかりと個人の情報を収集できるような型がなければ、どんなに広告を打っても無駄です。

 

 顧客情報は集めるのが大変だからこそ、価値があります。顔も名前もわからなかった潜在顧客が、目の前で商品、サービスを利用している。しかも満足そうに帰って行かれた。あの感じだったら、また近々利用してくれるだろう…

 

 この考え方は非常に甘く、そのお客様が再び来店される確率は低いでしょう。なぜなら、「忘れる」からです。それを防ぐのは、自店で集める「顧客情報」を使ったアプローチなのです。こんな当たり前のことができていない店舗も残念ながら多々あるのです。

 

 店舗経営者の皆さん。

しっかりと広告を打っていますか?

顧客情報を集め、管理していますか?