コラムNo.134 ダメな経営者の特徴

 

 店舗ビジネスに限りませんが、これまで私が関わってきた(特に業績の芳しくない)経営者の方々に共通する特徴の一つとして、「数字が苦手」ということがあります。まず、損益計算書や貸借対照表の類は見ない。見てもわからない。当然資金繰り表はつけない。ひどい時は通帳も見ない。会社にいくらお金があるかわからない(知りたくない)。

 

 こういう状況ですから、はっきり言ってまともな経営は絶対にできません。これらの会社では大体、経理担当者か奥様がお金の管理はしていますが、「管理」のみなので経営という全体的な視点から見ることはできず、経営者に対して的確なアドバイスはもちろん不可能ですし、それを期待するのも酷というものです。

 

 「顧問税理士がいれば大丈夫なのでは?」という声も出そうですが、通常の顧問契約で経営まで首を突っ込んでくる税理士はほとんどいません(というより経営がわかっていない税理士が大半です)。もちろん経営もしっかり勉強をし、良き参謀として頑張っていらっしゃる税理士の方々も中にはいますが、私の知る限りごく少数派です(顧問料は高くなります)。

 

 しかしながら、中小企業は予算的にも厳しい状況であるため、高額な顧問料などに使う余裕はほとんどないでしょう。したがって、お金については経営者が責任をもって戦略的に調達、運用をしていく必要があります。

 

 経営者の皆さん。「数字が苦手」という意識は今日限りで捨ててください。そのままでは早々の退場を迫られるでしょう。私に言わせれば、数字が苦手などというセリフは経営者の単なる甘えであり、怠慢でしかありません。

 

 一番大事なのはお金の流れを知ることです。まず、通帳で毎月の現金収入、支出、残高を確認しましょう。次にそれらを1年分まとめていきます。最初はそれだけで構いません。お金の流れを知ることが大事です。その次のステップは、過去のお金の流れから、今後3ヶ月の見込みを予測します。難しく考える必要はありません。大体で大丈夫です。そしてできれば半年先までのお金の流れを予測しておきましょう。

 

 世にある資金繰り表はパっと見で分かりにくく、それがハードルを高めることにもなっています。最初は前述のような現金収入、支出、残高を記録するだけでいいのです。概算でも将来のお金の流れを知っておくことで、資金ショートのリスクは激減します。

 

 会社は黒字でも支払うお金が無くなれば簡単に倒産します。経営者がその「お金」という数字を自ら遠ざけてはだめです。経営者失格です。適切な判断を下すためにも、経営者は自社のお金の流れを誰よりも知っておく必要があるのです。