コラムNo.136 やると言ったらやれ

 

 店舗ビジネスにおける「人財育成」のスタート地点は何だと思いますか?新たに入ってくれたスタッフに対して何をするべきか。まさか初日からいきなり「細かい業務」を教え始めたりしていないと思いますが、私の経験から言わせてもらえば、そういう会社が少なくない印象です。

 

 業務を教えることが悪いのではなく、物事には正しい順序というものがあるということです。いきなり、どこの誰かもわからないような人から業務を教えられても、誰でも躊躇するはずです。もちろん入ったばかりの会社は知らない人だらけですが、だからと言っていきなり業務を教え始めるのは乱暴です。

 

 人財育成のスタートは「信頼関係の構築」からです。これに例外はありません。信頼関係のない人から何をいくら言われても、人は聞く耳を持ちません。教育効果はゼロです。これは褒めるときも叱るときも同様です。すべては逆効果となり、退職を早めることにしかなりません。

 

 「信頼関係の構築」と言っても何をすればいいのか。簡単です。まずは「有言実行」からです。つまり、「言ったことを必ずやる」ことです。期限までに頼まれた仕事は必ず仕上げる。待ち合わせの時間を守る。誰であっても、相手は自分の言動、行動をしっかりと見ています。細かな約束事を守ることから信頼関係は作り上げられるのです。

 

 話は少し飛びますが、私のクライアントの社長の中には、次回までに仕上げる宿題をやってこない人もいます。会社の将来を決めるようなことなのですが、なかなかやらない。やっても中途半端。私としては信頼関係が結べず、協力しようにも本能的に肩入れすることができない。悪い人ではないのですが、現在の会社の苦境はあって然るべきか…と思わざるを得ません。

 

 翻って、経営者と社員、あるいは上司と部下の関係性も同様です。新人だろうが、ベテランだろうが、相手は必ず見ています。そこに信頼関係がなければ、会社の空気は澱み、業績は下降線をたどります。先述の宿題をやらない経営者は、おそらく社員に対しても有言実行できていないことが多いでしょう。

 

 ともあれ、「この人はやると言ったら絶対にやる人だ」という評価は、仕事だけではなく、人生でかなり強力な武器となります。公私問わず、人はそういう人についていきます。人財育成は店舗ビジネスに限らず重要な仕事の一つです。有言実行を続けることは、よい人財を育てることとイコールと言えるのです。

 

 経営者の皆さん。

約束を守っていますか?

約束を破っても自分だけは許されると思っていませんか?