コラムNo.146 最近いつ褒めた?

 

 これは店舗経営者に限ったことではありませんが、「経営者」という人間は「褒める」ことに関してはいい意味で無頓着、悪い意味で無関心だと思います。これまで相当数の経営者と関わっていますが、例外はごく少数で、ほとんどは「褒め下手」かそもそも「褒めない」人です。

 

 それでやっていければ問題はありません。しかし、「経営者が褒めない会社」は必ずと言っていいほど社内の人間関係に問題を抱えています。褒めないことだけがその要因だとはさすがに言いませんが、褒めることで解決することが多いのもまた事実です。

 

 ご存知の通り、人は皆承認されたがっています。「いいね!」が欲しいのです。これは経営者も例外ではなく、社員の人たちも当然承認して欲しいと思っています(口には出しませんが)。この「承認」という行為は、砂漠のような乾いた世の中に潤いを与えます。そして承認することの最も効果的なスキルとして「褒める」があるのです。

 

 あえて「スキル」と書きましたが、褒めることは間違いなくスキルです。ということはつまり訓練で上達するのです。「褒め下手」や「褒めない」人達は、照れくさいなどと言っている場合ではなく、今すぐ褒める訓練を始める必要があります。

 

 別に学校に通う必要はありません。会社や家で簡単に訓練ができます。何も歯の浮くようなセリフを言わなくてもいいのです。いきなり褒めることに抵抗があるのなら、「ありがとう」から始めればよいでしょう。それでも抵抗があれば、「顔を見て名前を呼んで挨拶」から始めましょう。それでも抵抗があるなら、「笑顔で会釈」です。

 

 とにかく、仏頂面で挨拶すらままならないような環境を変えていくべきです(経験上、大半の社員はそう思っています)。自分は大丈夫、と思っているあなた。実際はそうではないことを理解しましょう。皆怖がっています。社員に聞いてみてください。自己評価との差に驚かれることでしょう。

 

 繰り返しますが、「褒める」ことはスキルです。訓練で上達します。褒めることで会社が悪くなることはありません。「褒めると調子に乗る。図に乗る。失敗する」と言う声がきこえてきそうですが、大丈夫です。調子に乗るほど褒めるのはかなり難しいのです。もっといえば、調子に乗せておけばいいでしょう。それで失敗したとしても本人にとっていい勉強になります。

 

 経営者は会社の雰囲気を一気に変える力を持っています(良くも悪くも)。社員にはそれができないのです。褒めることにコストは全くかかりません。今すぐ、率先して「褒める」ことをやっていただきたいと思います。