コラムNo.164 経営者が今やるべきこと

 

 店舗ビジネスにおいて、店で働いてくれるスタッフ、つまり「人財」は価値の源泉です。当たり前の話で恐縮ですが、経営者はこの重大な事実を「コロナ禍」の現在、しっかりとかみしめる必要があります。

 

 近年、無人店舗もちらほらと出てきていますが、日用品の調達程度であれば無人でも十分でしょう。しかし、ある程度高価なモノを買う、あるいは人によるサービスが必須の場合は当然ですがまだまだ「人」がいなければ店舗としての価値は提供できません。

 

 しかし、現状では新型コロナの影響でやむを得ず店舗自体を休業したり、スタッフを休ませたり、あるいは断腸の思いで解雇に踏み切ったりと日本だけでなく世界中の店舗ビジネスで「人財」に対する経営者の「覚悟」が試されています。

 

 ここでの対応がコロナ収束後の「店舗の回復度合い」を決定します。つまり下手をすればスタッフもお客様も戻らず、最悪の場合は廃業することになるということです。それほど危機時の動き方はその人自体の価値観が如実に表れます。

 

 スタッフは経営者が自分たちを守ってくれるのかどうか、言葉にこそ出しませんがこと細かに見ています。経営者からすれば「コロナは自分のせいではないのだから、店を休んでもしょうがないし、売上も激減しているのだからスタッフの給料も払えない。スタッフもわかってくれるだろう。」と思いがちです。しかし、スタッフはそうは思いません。経営者に守ってもらうことを期待しています。

 

 その期待を裏切られたときは当然失望します。誰もお客様が来ないからと無理やり休ませ、その後のスケジュールもわからず、休業手当も出さず…特にそれが危機の時はダメージが大きく、長年の信頼関係もあっさりと崩れ落ちます。「この人はこんな人だったんだ…」ということで心が離れ、退職の連鎖が始まるのです。

 

 今、経営者がやるべきことはコロナ収束後を見据えた方針を立てることです。何をやって何をやらないのか。それをスタッフにはっきりと言語化して伝え不安を取り除きます。その後、具体的な行動としてすべきことは「キャッシュの調達」です。どの業界でも明らかに業績は下がります。つまり入ってくる現金が必ず減るということです。

 

 現状、政府の資金繰り支援が充実してきています。使えるものは使い、少なくとも23ヶ月は入金がなくても乗り切れる状態にしておくべきです。現金に余裕がなければ判断を誤ります。気持ちの余裕を持ち、正しい経営判断をするためにも、すぐに現金調達に動きましょう。そして自分ではなくスタッフのために使うことを考えましょう。