コラムNo.165 アニマルスピリット

 

 当コラムでは、ここ1ヶ月ほど新型コロナウイルスを絡めた内容が続いていました。その1か月間でみるみるうちに日本、また世界の状況は悪化しています。多少楽観視してしまっていた私としては気を引き締めるとともに、現状への対応をしつつ、この状況だからこそ経営者として一番大事な未来への種まき、つまりヒトモノカネに対するあらゆる投資を積極的におこなうべきだと考えています。

 

 しかしながら、残念なことに企業によっては最も重要な投資である「人財」を切り捨てるところも出てきています。厚労省によれば、327日時点で新型コロナの影響による解雇や雇止めが994人、今春の内定取り消しは32人に上ります。表に出てきていないデータも合わせれば、相当な数の人々が厳しい状況に追い込まれているのは容易に想像できます。

 

 やむを得ない状況というのは理解できますが、ビジネスは人がいなければ成り立ちません。新型コロナがいずれ収束するのは間違いなく、その時に人を募っても「時すでに遅し」なのです。「営業ができないのに雇用し続けるのは無理」「きれいごとじゃない」「現場を分かっていない」「死活問題」「会社が無くなってしまう」などの声が上がるのは当然でしょう。

 

 もちろん解雇や内定取り消しがすべて「悪」だとは思いませんし、誰も好きでやっているわけではないでしょう。しかし、何回もいいますが人財が一番の資産であり、経営者が最優先に投資すべき対象なのです。

 

 歯を食いしばって雇用を維持している企業も多くあります。それらの企業に共通するのは経営者の「覚悟」でしょうか。つまり、「私がなんとかする」という思いであり行動です。これは他力本願の他責思考とは正反対に位置します。

 

 「自粛要請をするんだったら、国や自治体がもっと補償を‥」というのは当然だと思います。むしろさらなる補償が必要かもしれません。ただし、それでも経営者は自力本願の自責思考でいくべきです。補償ありきではなく、自身の頭と身体を使い、どんな状況に置かれても稼ぐ力強さ、つまり「野生(アニマルスピリット)」を出していくべきなのです。

 

 「うちのスタッフは死んでも守る」多少暑苦しい言葉ですが、危機的状況の中ではこれでも生易しいでしょう。その姿勢をスタッフは必ず見ています。今回のコロナ禍は経営者の本質をあぶりだす試金石といえるのです。これからも厳しい状況が続くと思われますが、自身や会社の成長のためにも、ブレずあせらず「アニマルスピリット」乗り越えていきましょう。