コラムNo.166 空いた時間に何をしていますか?

 

 コロナ禍がまだまだ続いています。経営者の皆さんにおかれましては、当面の資金繰り、また先行きへの不安からなかなか本来の業務に力を入れることは難しい状況だと思います。そもそもお客様が動けないのですから、どの業種も売上の見込が立ちません。業務自体がストップしているのが現状だと思います。

 

 結果的にスタッフを休ませたり、あるいは最悪の場合解雇せざるを得ない会社も多いでしょう。あらゆる人、会社にとって今は緊急事態といえますので、これ以上傷口を広げないよう、悪影響を最小限に食い止めることが喫緊の課題です。

 

 とはいいつつも、コロナの影響はいずれ収まります。もう片方の目では将来を見通した動きをする必要があります。資金調達など当面の課題がひと段落した後は「人材育成」について考える時間を設けてみてはいかがでしょうか。

 

 「こんな状況の中で何を言っているんだ!」「育成するスタッフが今休んでいるんだ!」「それどころじゃない!」という声が上がってきそうですが、そんな状況だからこそ意味があります。私の経験上、人材育成の仕組みをつくっている店舗はほとんどありません。

 

 「人材育成の仕組み」については、普段であれば忙しくて手が付けられない部分です。多少の時間が取れる今、ぜひ着手していただきたいと思います。人材育成は会社の根幹をなすもっとも重要な柱の一つであり、これまでほったらかしにしていたこと自体がおかしいのです。

 

 さて、具体的には何をすればいいでしょうか。それは「マニュアル作り」です。拍子抜けした人もいると思いますが、人材育成の仕組みを作るには、まずは「やるべき仕事」がはっきりと把握されなければなりません。そうでなければ、昇給もキャリアアップも仕組みとして作れないのです。

 

 普段の仕事の流れから「やるべき仕事」をピックアップし、全員が共通しておこなうべきことを文章化し、全員が同じレベルでできるようにする。これがマニュアル化です。マニュアル化は世の中のどの店舗でも当てはまる人材育成の基本です。

 

 ところがそのマニュアルすら作っていない店舗が大半です。「マニュアル化すると店のサービスがガチガチに固まって、温かさやおもてなしの心がなくなってしまう」という経営者も中にはいますが、本音は「面倒くさい」だけです。だいたい業務のすべてを文章化する必要はありません。必ずすべき共通部分だけです。それすら忙しいからやれないといっていた店舗は今がチャンスです。時間はあります。すぐに手を付けましょう。

 

 「そんなことやっても店が無くなったら意味がない!」と思われる方もいるでしょう。ではお聞きしますが、今空いた時間は何をしていますか? 資金繰りと店の心配だけですか? いくら心配しても必要とされていない店舗から無くなっていきます。お客様から支持されている店は必ず生き残ります。マニュアルもなくサービスが安定していない店が支持されることはありません。店舗経営者の皆さん。大変な時期だからこそ、店舗の基盤を見直すべき時なのです。