コラムNo.178 経営計画が実行されない理由

 

 先日、私がお手伝いしている会社にて、全員参加の社内ミーティングを行いました。内容は経営計画についてだったのですが、その中で社員の方から印象的な発言が出てきました。「実は毎年の決算月に同じような話をしている。同じように反省し、同じように対策を練り‥ しかし何も変わっていない。大体これまでの中期経営計画も覚えていない。現場としては1ヶ月が無事終われば安心し、常にその繰り返しでしかない。」

 

 あなたの会社ではどうでしょうか。私が知る限り、似たような話は枚挙に暇がありません。つまり、よくある話です。私は当社に本格的に関わり始めてからまだ日が浅く、社員の方を加えたミーティングは今回が2回目でした。当社ではこれまで計画を立ててはいたそうですが、結局すぐに忘れられ、誰も実行せず、誰も検証せず、まさに絵に描いた餅となっていたようです。

 

 さて、「計画」と名の付くものでは、それが経営という分野に関わらず日の目を見ない例に事欠きません。多くの計画が引き出しの中にしまわれて終了です。一体なぜこのようなことになるのでしょうか。計画が実行され、成果に結びつくようにするにはどうしたらよいのでしょうか。

 

 まず「なぜこのようなことになるのか」に対しての答えは明白です。誰も責任を持たないからです。言い換えれば、計画通りに目標を達成してもしなくても「何も」起こらないからです。こうなる原因の一つは、「計画を作る人」と「実行する人」が別々になっていることが挙げられます。

 

 「私作る人」「あなたやる人」で成果が出たためしはありません。経営者が自己満足のために造った計画など誰も魅力的に感じず、当然実行もされません。作った張本人の経営者ですら責任を持たず、ひどい場合は、計画が予定通りにいかなかったのは「やる人」であるお前らが何もしないからだ、と責任転嫁してさらに状況が悪化することもあります(ちなみに幸運にも達成した場合はオレのおかげ)。

 

 計画が実行されるためには、まず経営者が全責任を持ち、さらに社員全員の当事者意識を醸成するべく、全員を巻き込んでゼロから計画を作ることが肝要です。つまり全員が「自分事」として目標を立て、計画を作ることからスタートしなければなりません。

 

 ただし、言うは易く行うは難し。社員が仕事を自分事としてとらえるには、経営者との信頼関係が必要です。まずは何事も経営者が率先垂範すること。その上で繰り返し繰り返し自分の思いを口にし、社内のベクトルを合わせること。そうやって初めて全員で作った計画に魂が入るのです。

 

 経営者の皆さん。単に数字をいじくりまわした計画は無意味です。自ら行動し、自分の思いをしっかりと口に出して社員に伝えましょう。経営計画はそこから始まります。