コラムNo.180 経営の話をしたくない経営者

 

 皆さんご存知かもしれませんが、経営者の方々はそのほとんどが「話し好き」です。もちろん寡黙な経営者もいらっしゃいますが、稀に見る超少数派です。

 

 さて、その話好きな経営者の方々は一体何を話しているのでしょうか。人によって差はありますが、まずは「世間話」です。まあ、当たり前といえば当たり前ですね。ただし、その内容が一般の方よりも多岐にわたり、深くまで入り込んだ話が多い印象です(とはいえ、偏見や思い込み、陰謀論的なものなど、客観性や信憑性に欠ける場合も少なくありません)。

 

 今回のコロナ禍でも、経営者仲間などから様々な話を仕入れ、どこそこではどういう対策をやっている…という実務的なものから、あの辺はコロナが多いから近寄らないほうがいい…といったうわさ話、あるいはコロナはいつまで続くんだ…もう終わりだ…どこも店を閉めはじめている…もう元には戻れない…などの悲観論まで様々なレベル感の話が飛び交っています。

 

 世間話の次に多いのが「昔話」です。これは50代以上の方に顕著な特徴で、正確に言えば「昔は良かった話」です。商売が乗りに乗っていた時の話は、勉強になる反面、ともすれば単なる自慢話となってしまい、聞いているほうからすればちょっと胸やけがするような感覚に陥ります。

 

 昔話の次は、それと対になる形で「愚痴」です。これは従業員の怠慢や取引先の傲慢さ、あるいは親兄弟、親戚、子供の至らなさなど、360度全方向に渡り繰り広げられる、相当なエネルギーを持った「諸刃の剣」とも言える代物です。

 

 以上が私の経験上、話好きな経営者が話される内容のトップ3なわけですが、ここで私が何を言いたいのか。つまるところ「ミーティングにおける時間の有効活用」です。私の立場としては、当然皆さんの会社を共に良くしていきたいと思っています。経営者の皆さんももちろんそう思っていらっしゃいます。

 

 しかし、話したいことを話すだけのミーティングでは、間違いなく時間の浪費となります。相手のことが理解できていない初めのころであれば、背景の理解や信頼関係の構築のために相当な時間を使って、様々な話を「お互いに」聞く必要があります。

 

 ただし、関係性が築かれた後は、課題をはっきりさせ、効率よく改善をしていくためにも、「生産性の高いミーティング」をする必要があります。もちろん、世間話や愚痴が必要ないと言っているわけではなく、そのバランスの問題です。

 

 特に世間話はアイデアの元になることも多いのですが、一方で何も考えずに話し続けると2時間‥3時間‥と冗長な話になり、中身は薄くなり、何を話したのかも忘れてしまいます。ですので、課題とは無関係そうな世間話は、時間を決めてミーティングに臨むべきでしょう。時間が限られることで頭の回転を上げざるを得ず、「一見無関係そうなこと」からよりアイデアに結びつきやすくなる効果も見込めます。