コラムNo.181 社内に風を通していますか?

 

 つい最近お伺いしたクライアント先でのお話です。クライアントはこれまで3年間の中期経営計画は作成していましたが、さる理由から5年計画を作る必要が出てきました。その作成のお手伝いをしている中で、私としてもさまざまな「気づき」があったことをお伝えしたいと思います。

 

 5年というのは、振り返ってみればあっという間ですが、当事者としてリアルタイムに過ごす5年間はなかなか長い期間とも感じます。しかも近年は技術革新のスピードが凄まじく、さらに天災が毎年いずれかの地域を襲い、特に今年はコロナによる生活様式の強制的な変更なども相まって、いよいよ1年先でも前提が通用しない世の中になってきているのです。

 

 このように先々の「想定」が非常に困難であるため、はたして5年という期間の経営計画の意味はあるのか、そもそも何のための計画なのか、根本的な問いをクリアしないと、仮に作ったとしても見事な「絵に描いた餅」が完成するだけで、壮大な時間と労力のムダに終わる恐れがあります。

 

 今回、クライアントが作成する5年計画は一応の理由はありましたが、内発的なものではなかったため、計画を作る意味や目的を社員全員で共有すべく、時間を取ったのが冒頭のミーティングなのです。

 

 ここでまず私がやったことは、社長、社員それぞれに対して「5年後にどうなっていたいのか?」という問いに答えもらうことでした。まあ、当たり前といえば当たり前ですね。これを事前に宿題として出しておき、当日ミーティングで発表してもらう段取りとしました。

 

 結果として、この「5年」という期間が奏功しました。前提は通用しないものの、ある程度の想像は何とかできる1年や3年と違い、また10年というさすがに超長期な期間とも違い、5年というのは夢と現実の狭間というのか、ミーティングで出た答えが良い意味で楽観的な、ただし単なる「将来の夢」よりも現実的な、それでいて皆がワクワクできるような話が飛び交う、いい感じの時間となりました。

 

 また、このミーティングで私が強く感じたことは、社員の皆さんをはじめ、社長ですら「こうなっていたい」という思いを普段からあまり口に出していないことです。1年や3年だと現実に近すぎて言うのが憚られるような夢や目標でも、5年となると先述のように良い落としどころで言いやすくなるのと同時に、それを話してもいいような「場」の存在、さらには手前味噌になりますが、場を取り仕切る「第3者」の存在が彼らの発言を後押ししたのだと思います。

 

 社内だけのミーティングでは、どうしても「今」の話に偏りがちで、褒めると言うよりはダメ出しの時間が多くなります。そもそもろくに話も聞いてくれません。たまに「ゆくゆくは社内をこうしたい、こうなりたい」と社員が話をしても、「そんなことより売上を取ってこい」となるのがほとんどでしょう。

 

 今回のミーティングでは、これまでとは違い、明らかに社内に活力が出たように感じました。やはり「明るい未来」は誰にとっても相当なエネルギー源となることを痛感しました。経営者の皆さん。この厳しい時期だからこそ、そして会社の未来のためにも、「信用できる第3者」を活用することを考えてみてはいかがでしょうか。