コラムNo.183 相談する人しない人

 

 最近、様々な業種の経営者の方と個別ミーティングを行う機会が増えています。ミーティングの中で抽出された共通項は、言わずもがなの「経営者は孤独」という事実です。大半の経営者は周りに相談できる人が誰もおらず、一人で悩みを抱えながら鬱々と日々を過ごす状況です。

 

 悩みの種類は人それぞれで、親子の確執や社員との関係、財務状況の悪化、会社を畳んで転職するか否か…など、人の数だけ悩みは存在します。経営者は家族にも、経営者仲間にも、当然社員にも自分の悩みは相談できず(したくない、してもわかってくれない)、一人悶々と頭の中で答えの出ない問題と闘っているのです。

 

 そもそも「悩み」とは定義上答えが出ないものです。だからこそこの言葉を使ったわけですが、一人で解決策を思い悩むことは、はっきり言ってムダな時間だと私は思います。時間を使うなら「考える」ことに使いましょう。「考える」ことは多面的な視点から判断し答えを出すことです。いくら悩んでも答えが出ない(自分の中に答えがない)以上、早々に打ち切って、考えるため材料となる外部の知識や知恵を取り込む行動、つまり相談をするべきなのです。

 

 とはいえ、大半の経営者は孤独であり相談相手がいません。この状況が続けばどうなるのか。ほぼ間違いなく相談下手になります。相談下手とは、自身の状況が整理できておらず、自分の欲しい答えすらわかっていない状態で、思いついた言葉を使い支離滅裂な質問を相手に投げかけることです。

 

 しかも経営者が相談するタイミングは、大抵の場合、切羽詰まった状況です。既に相談下手になっている中で、それに輪をかけて状況がくみ取れず、また経営状態も悪化しており、「時すでに遅し」で結果として問題解決が不可能となることも少なくありません。

 

 ですので経営者の方々は、普段から相談相手として「話の分かる第3者」をつくっておく必要があります。もちろん一人でやれる人は一人でやっていただけたらいいと思います。しかし、一人では限界があります。自分だけの考えではすぐに頭打ちになり、思うような成功は望めないでしょう。

 

 自身の置かれた状況を人に話すだけでも頭の中が整理されます。それが話の分かる第3者、つまり「専門家」であれば、悩みの解消だけでなく、将来の明るいビジョンも見えるようになります。私も第3者と言う立場だからこそ、個別ミーティングでは「誰にも相談できないこと」を話していただけます。不思議なことに、話すだけで何も解決もしていないのに顔がパッと明るくなる人も多くいらっしゃいます。

 

 経営者の皆さん。普段から近い関係性の人たちへは個人でもなかなか相談しづらいものですよね。一人で思い悩んでいませんか? 包み隠さず相談できる相手を持っていますか?