コラムNo.189 なぜ経営計画はうまくいかないのか

 私はここ最近、いくつかの経営者組織や公的機関から依頼を受け、「経営計画策定」を支援するセミナー講師をしています。経営に関する計画について、事業計画や経営計画など呼び方は数多ありますが、基本的には同様の内容だと思ってもらって構いません。ここでは経営計画として話を進めていきます。

 

 で、いきなりきつい物言いですが、経営計画を作っても生かしている企業はほとんどありません。身もふたもない言い方をすれば、個人事業主を含め8割、いや、9割以上の企業は経営計画など無用の長物と化しています。

 

 もちろん存分に生かしている企業もありはしますが、超少数派で天然記念物より珍しいかもしれません。せっかく時間と労力をかけて作った経営計画なのに、なぜ生かされないのでしょうか。経営計画自体は、経営者にとっても、関係者にとっても絶対に必要なものなのに。

 

 私が考える一番の理由は「忘れている」です。「苦労して作ったのに忘れることなんてないだろう!」と言う声が聞こえてきそうですが、事実です。作って、何だかやった気になって、安心して、引き出しにしまって、終わりです。

 

 1年後、引き出しを開けるときれいな状態の経営計画が現れます。「お?」と一瞬思いますが、見て見ぬふりをしてそっと閉めます。これがよくある一連の流れです。最終的にはどこにいったか分からなくなります。

 

 そしてすべてを忘れ、また経営計画を作ります。「とりあえず何とかやれている企業」は長年に渡って同様の流れを繰り返します。経営の大半が無計画のため、成功の理由も失敗の理由もわからず、検証もできず、行き当たりばったりですから、生き残れればラッキーです。しかし多くの場合うまくはいかず、早い段階で退場となります。

 

 さて、こうならないためにはどうしたらよいのでしょうか。私に言わせれば、社長だけで計画の実行から検証、改善を行うのは無理があります。一つの解決策として挙げられるのは、「定期的に第三者のチェックを受ける」ことです。

 

 私を含め、人間誰しも基本的に「怠慢」です。これは仕事やプライベートを問いません。加えて、どうしても自分に甘く、適切な客観的評価ができません。であるからこそ「誰かに見ていてもらう」ことは、想像以上の効果を発揮するのです。

 

 ただし、すべては「自発的」がキーワードとなります。自発的に経営計画をつくり、自発的に第三者にチェックを依頼する。そうでなければ長続きせず、むしろ悪い結果を招いてしまう恐れがあります。

 

 経営者の皆さん。「自発的」に経営計画をつくっていますか? それを定期的にチェックしてくれる第三者を持っていますか?