コラムNo.25 なぜ商品知識が豊富でも売れないのか

店舗ビジネスに限らず、自社が取り扱う

商品、サービスの知識はそこで働く

社員にとって絶対的に必要なものです。

 

当たり前の話過ぎて恐縮ですが、

あまりにもできていない店舗が

多いのでこのテーマを挙げさせていただきます。

 

これはつまり、自社が取り扱う商品の特長を

知ろうともせず、そのため商品の良さを

上手く伝えることができない社員ばかりだということです。

 

今はネットで検索すれば簡単に情報が

手に入りますので、下手をすれば

お客様の方が知識を持っている場合もあります。

 

飲食店スタッフであれば、少なくともそのメニューに

使われている素材や調味料、食べ方や合う

飲み物などは押さえておく必要があります。

 

しかし、皆さんも経験があると思いますが、

ホールスタッフに聞いても要領を得ない

返答が多いのが事実です。

 

また、飲食店とは違いますが、最近私がびっくりしたのは、

あるインターネットプロバイダの

カスタマーサービスに連絡をした時です。

 

その担当者はこちらの質問に対して

自分だけでは全く回答できず、

つねに確認をとりに行き、電話を置く状態。

 

これが何回も繰り返されました。

 

そして待たされた挙句、欲しい答えは得られないまま

違う部署を紹介されるという、なんとも

腹立たしい体験をしました。

 

繰り返しますが、カスタマーサービスなのに、です。

 

商品知識すらないのは怠慢以外の何物でも

ありません。(そんな人は多いのですが)

 

しかも商品知識だけでは当然仕事にならず、

いくら商品知識が豊富でも商売では通用しません。

 

商品、サービスを提供する側としては、

商品知識だけではなくその知識をお客様ごとに

変換して、価値ある情報にしたうえで伝える

ことが肝心です。

 

にもかかわらずその商品知識すら勉強しない。

 

ちなみに“知識”とはそのことをただ知っている状態に

過ぎず、その知識を活かすには当然“知恵”が

必要になってきます。

 

知識を得るには、本や研修、ネットで検索など

あらゆる方法があります。

また、資格試験や検定試験などの勉強でも知識は

得ることができます。

 

知識自体はこうしてどんどん積み重なりますが、

それだけでは全く意味はありません。

この状態はいわゆる頭でっかちな人間であり、

実務では使えない人です。

 

得た知識を自在に使えるような知恵を得るには

絶対的に必要なことがあります。

 

“実践”です。

実際に行動するということです。

そして実践を積み重ねて、持っている知識を融合

させることで“知恵”が生まれます。

 

持っている知識をそのまま使っても

ほとんどの場合成果につながりません。

 

その状況にいたるまでの文脈がそれぞれの

場面で全く違うからです。

 

知識はあってしかるべきですが、それを活かす

知恵がないと宝の持ち腐れとなります。

 

繰り返しますが知恵は実践を繰り返す中でしか得られません。

そうして様々な状況を経験していく中で

その文脈に合わせた的確な判断ができるようになるのです。

 

料理に例えれば、素材(知識)をどういう形で

完成品(成果)に結びつけるのか、

何回も作る(実践)ことで経験が蓄積され、

優れたレシピ(知恵)となります。

 

ここで重要なのは自分で作っていないレシピは

他人から生まれた知恵であることです。

 

ややこしいですが、人が作ったレシピは

知恵というより知識に近くなります。

 

知恵は自ら考え、試行錯誤してこそ

本物の知恵となりえます。

 

他人のレシピがダメだということではありません。

 

もちろん基礎をマスターするためには

さまざまな他人のレシピを試してみて、

練習する必要があります。

 

普通の家庭料理であれば、人がつくったレシピを

増やしていくことで全然問題ありません。

いや、むしろ変なオリジナリティは出さないほうが

良いでしょう。

 

しかしながらビジネスではそれだと

なかなか成果は残せないのです。

 

誰でも知っていて、誰でもできる事は

基本的に人は価値を感じません。

 

簡単にできるものにはライバルも多くなります。

 

ビジネスでは独自性が必須です。

人の知恵を十分に活かしつつ、自分の知恵も

折り込みながら実践を繰り返すことで

オリジナルが生まれてくるのです。

 

どんなに良い素材があったとしても

お客様に合わせて、それを活かす

オリジナルレシピが無ければ、

宝の持ち腐れであり、十分な価値が出せません。

 

逆に良いレシピがあったにしても、

使う素材が悪かったら、結果は惨憺たるものです。

 

商品知識は必要なものです。

そして商品知識は比較的簡単に手に入ります。

(それすら満足に収集しない人も多いですが)

しかし商品知識だけでは独自性にはつながりません。

 

それを活かす知恵も同時に必要です。

知恵を得るには繰り返しの実践、すなわち

試行錯誤しかありません。

 

先人が作った知恵を拝借しながら、そこに

自分の知恵を積み重ねていく。

 

このお客様にはこう、あのお客様にはこう…

商品の組み合わせはこれとこれ…タイミングは…

説明の仕方は…ご夫婦のどちらに…声の大きさは…

持ち帰りか… など。

 

商品知識をただ伝えるだけなら今は

ペッパーで十分です。

当意即妙の知恵を出せるのが人間の強みです。

 

まずは知識をもつことが大事ですが、

真に稼ぐ店舗となるには、それを活かす

知恵を積み重ねるようにしてください。

 

知恵は頭をこねくり回してもでてきません。

現場にこそ知恵の種が埋まっているのです。

つねに現場を見るようにし、稼ぐ店舗を創り上げてください。