コラムNo.29 なぜ顧客を平等に扱う店は長続きしないのか

店舗ビジネスにおいて、顧客の重要性を

あらためてここでお伝えする必要はないと思います。

 

その重要性を踏まえたうえでお聞きしたいのが、

顧客対応についてです。

 

皆さんの会社では顧客の対応に差をつけていますか?

 

こう聞くと、

「うちに来るお客様はみんな大事な顧客だ!

対応に差をつけるなんてそんな失礼なことができるか!」

という声や、そういう表情をされる方が必ずいます。

 

私が言いたいのは、何もお客様に対して無礼なこと

をしたり、ぞんざいに扱ったりすることではありません。

 

基本的な対応とは別に、お得意様に対しては

何らかのサービスや特典などの差別化をする必要が

あるということです。

 

「初めてのお客様も大切にしないといけないだろう!」

という声も聞こえてきそうですね。

 

それは確かにその通りなんですが、

それまで何回も利用されたお得意様に対してのサービスと

初めてのお客様に対するサービスが全く同じというのは

どうでしょうか。

 

自分が顧客の立場であったら、同じサービスで納得できますか?

 

ほとんどの方は何も言わないにしても、

自分はこれまで相当利用したんだから、

ある程度の見返りがあってもいいんじゃないか…

と思っています(私も含めて)。

 

ごくまれに、お客様の方から、

「私はこんなに利用しているんだ!

何かサービスしろ!」

ということもありますが、こういう方は

大抵の場合、お得意様というほど

自社を利用されていません。

 

そういう方はさておき、お得意様には

しっかりと差別化したサービスを提供し、

継続して使っていただくことが店舗ビジネスの

原理原則となります。

 

その一方で、新規客を集めるために割引や

サービスクーポンなどを積極的に

実施している店舗は多いですよね。

 

しかし、釣った魚にエサはやらないかのごとく、

繰り返し使っていただいているお得意様に対して、

何もせずにほったらかしの店舗は想像以上に

多いのです。

 

あってもポイントカードぐらいで、

その特典も、数百円程度の値引きや、

つかわない、ほしくない、売れていないような

メニュー、粗品のプレゼントなど

異様にモチベーションが上がらないものばかり。

 

初回利用時が一番お得にその店を使えるため、

当然リピートするようなお客様は集まらず、

優良顧客を自ら遠ざけている残念な店は

多数存在しています。

 

まずは1回使ってもらって…

という気持ちは痛いほどわかりますが、

結局その特典だけを狙って来店する

人のみが集まり、本当に来てほしいお客様

がどんどん離れていく、というまさに

本末転倒な状況を自らが作っていることを

理解する必要があります。

 

理解したうえで、あらためて顧客化を促す施策を

執り行わなければなりません。

そしてデータを集め、顧客を分類し、それを

活用していくことが基本中の基本です。

 

顧客の分類方法としては、RFM分析が良く知られています。

簡単に説明すると、

 

R(recency:最新購買日)

 最近購買した日

F(frequency:購買頻度)

 どれくらいの頻度で購買しているか

M(monetary:累計購買額)

  これまでの購買合計額

 

これらを単体、あるいは組み合わせて指標化することで、

自社にとっての優良顧客を分類し、それぞれに応じた

サービスの提供や、効果的な販促につなげていくことです。

 

このRFM分析は1960年代の米国通信業界を中心に広まった

と言われており、現在では「古い」や「使えない」など

の意見もありますが、それは使い方次第であり、

私は非常に有力な分析方法の一つだと断言します。

 

むろん、RFM分析をつかってただ顧客を分類しても

それだけで業績が上がることはないわけで、

その結果からどういう施策を行うのか、が重要です。

 

ただ、顧客の分類だけでも、「目立たないが自社に

利益をもたらしている顧客」、

「声は大きいが利益にはなっていない顧客」、

など新しい発見は必ずあります。

 

顧客を平等に扱うのは、本当のお得意様にとって

非常に失礼です。また、そのことで店舗を継続利用する

モチベーションは低下していきます。

 

一方で、まだお得意様とはいえない方に

過剰ともいえるサービスをすることで

余計な勘違いが発生します。

その過剰サービスを継続しなければならなくなるのです。

しなければクレームとなり、そのお客様も当然離れていきます。

 

このようなことから、顧客対応の差別化は

絶対的に必要なものと言えます。

平等に扱うのは結局、誰のためにもならないのです。

 

お得意様の分類により、その

貢献度に見合った適切なサービスを

実行していくのが店舗ビジネスの本質です。

 

皆さんの会社では、顧客対応の差別化をしていますか?