コラムNo.50 繁盛店がスタッフに任せる前に必ずやること

  店舗ビジネスにおける人財育成で重要な事

柄の一つに“任せる”ということがあります。

 

 “任せる”というのは店舗ビジネスに関わら

ず重要なことではありますが、店舗ではモノ

やサービスをお客様に直接提供するという点

で、すでにその企業の顔になっています。

 

 本人がそう思わずとも、お客様は間違いな

くそう感じているわけで、このことは新人、

ベテラン問わず言えることです。新人だから

できなくてもいいよ、などというお客様は存

在しないのです。仮に口ではそういっても、

実際は満足どころか頭の中には苦情の嵐が吹

き荒れています。

 

 サービスレベルの向上は実践なくして実現

しません。だからこそ、店舗では積極的に任

せるということが大事なのです。任されるこ

とでスタッフの実力は飛躍的に向上します。

しかし、この任せるということがどうにも

難しい。そう感じている方は多いと思います。

 

 そもそも何をどこまで任せればいいのか…

任せた後、上手くいっていない場合は、どこ

まで入り込んでいいのか…

いつから任せればいいのか…

 

 考察の材料として一つ例を挙げれば、店舗

で“研修中”などと書かれたネームプレート

を付けさせて業務にあたらせる会社がありま

す。私に言わせれば、言語道断であり、店舗

ビジネスとは何か、任せるとは何かというこ

とが全くわかっていません。

 

 お客様からすれば、研修中のスタッフから

接客されてもベテランから接客されても同じ

料金を払う必要があり、研修中のスタッフか

らの対応は言わば、「ハズレ」なわけです。

 

 もちろん研修中のスタッフに悪気はないで

しょう。しかしお客様はそう感じます。これ

は経営者や店長の問題です。お客様もそうで

すが、スタッフもまた被害者ですね。

 

 こういったやりかたは“任せる”とは程遠

いものです。実際のお客様を相手に研修をさ

せるのは論外です。しかもこういう企業は当

然現場に入る前に研修を行っていません。

 

 研修ができない、と言ったほうが正しいか

もしれません。要は店舗の仕事が体系化され

ておらず、教えるほうも何を、また何から教

えれば良いか理解していないのです。

 

 そういう会社に“任せる”ということがで

きないのは火を見るよりも明らかであり、仮

にそういう会社が「スタッフに任せている」

といった場合は、大体において“放任”“ほっ

たらかし”状態です。

 

 “任せる”と“放任”の違いは、その仕事

の目的、全体像と任せる範囲、求める成果が

しっかりと共有され、お互いが理解している

かどうかです。

 

 さらに、任せる側はその進捗を適宜チェッ

クし、フィードバックをおこなうことでスタ

ッフを支援する。このことが大きな違いと言

えます。

 

 違いを知ったうえで、仕事を分解して任せ

ることも重要となります。いきなり全範囲

を任せるのではなく、できる範囲を切り分け

ながら、段階的に任せていく。小さな成功を

積み重ねていくことで自信にもつながります。

 

 また、放任する経営者がいる一方で、どう

しても任せられないという方も多いのではな

いでしょうか。

 

 任せられない一番の原因は、経営者や店長

が仕事の目的や全体像を理解していないこと

です。長年の自分の感覚で仕事をしており、

言語化や体系化ができておらず、いわゆる属

人化の状態となっているのです。

 

 実はそんなに高度で難しい仕事でないにも

関わらず、自分だけしかできないという思い

が人に任せることを本能的に拒みます。

 

 会社として発展していくには、一人だけの

力ではどうしようもありません。ぜひ“任せ

る”ことを武器にして店舗、会社を発展させ

てください。

 

 支離滅裂な話となりましたが、お伝えした

いことは“任せる”ことがどうも上手くいっ

ていない店舗や会社が多いということです。

 

 今回挙げているように、“放任”か“任せ

ない”の両極端なところが多いのではないで

しょうか。

 

 繰り返しになりますが、人に任せるには、

任せる仕事の目的と全体像、任せる範囲、

求める成果が共有されなければなりません。

 

 それに加えて、任せる側が進捗のチェック

とフィードバックを徹底することが絶対に必

要です。

 

 それができなければ、スタッフに対して仕

事を任せることはできません。というより、

任せてはダメです。

 

 自分自身が仕事の目的、全体像を深く理解

し、体系化、言語化ができていなければ確実

に“放任”“任せない”のどちらかになります。

 

 放任と任せないことの行く末は、社員が何

もできない烏合の衆となり、会社は間違って

も発展しない未来です。

 

 スタッフに任せない店舗、会社に継続的な

成長は望めません。経営者の皆さんはこの点

に気を付け、放任や任せないという状況に陥

らないようにしてください。

 

 そのための第一歩は仕事の言語化、体系化

です。実は多くの会社がやっていません。

だからうまく任せられないのです。

 

 実際にやれば大変な仕事ですが、目を背け

ずにやってみましょう。必ず大きな価値が手

に入ります。