コラムNo.66 学ばない経営者の末路

  店舗での仕事(飲食、サービス、小売)は現場での実践が一番身になり、スタッフの成長に直結するのは論を俟たないことです。ただ、このコラムでも再三にわたって指摘しているとおり、現場での経験だけではあるレベルまで来るとピタッと成長は止まります。

 

 現場での経験だけではなく、自身で本を読んだり、社内外の研修やセミナー、あるいは資格や検定などの刺激を受けることで、知識そのものの習得もそうですが、多面的な視点を持つようになり、狭かった視野がぐっと広がりを見せるようになります。さらに様々な立場での視座を得ることで、自身の今の姿が浮き彫りになり、理想と現実のギャップがあらわになることで成長意欲が増大するきっかけとなるのです。

 

 これは経営者の皆さんにも言えることです。年齢や経験はまったく関係なく、常に学ぶ姿勢を持つことが自社のスタッフにもいい影響を与えます。勉強熱心でない社長の元では当然ながら勉強熱心なスタッフは育ちません。特に社長は外に目を向け、新しいことを学ぶ必要があります。ちょっとした成功でいい気になっていたら、あっという間に時代に取り残され、業績はガタ落ち、できるスタッフから辞めていき、店舗数は減り、最終的には会社を閉めることになります。

 

 経営者の中には、さらなるレベルアップを図るために大学に入り直したり、専門的な教育を受けるために留学をする人も存在します。それがいいか悪いかではなく、その姿勢、行動力は経営者にとって必須のものです。

 

 そもそも日本人は社会人になってから学びなおす人が少ないと言われています。平成28年の調査によれば、日本の社会人(25歳以上)が短期高等教育機関へ入学する割合は4.6%で、OECD17か国中で最下位となっています。

 

 ちなみに1位はスウェーデンの54.2%で、アメリカは30.1%となっています。このように先進諸国の中でも日本は非常に低い割合となっており、この数字だけで判断するのはどうかと思いますが、ちょっと寂しい結果ですね。

 

 一生涯同じ会社で働くことが難しくなっている現在、同じ会社、同じ店で毎日同じことを繰り返すことは相当なリスクとなります。環境が変わったとたんに使い物にならなくなり、まさにお払い箱として、スタッフはおろか店も会社も見向きもされなくなるのです。

 

 経営者の仕事は将来を切り開いていくことです。店舗でスタッフと同じように働いてはダメです。また、業界内だけの人間関係で傷のなめ合いをしても何のプラスにもなりません。外の世界を知り、自らのレベルアップを積極的に行わなければなりません。必ずしも大学に行くことだけが学びではありませんが、人が集まって学ぶ場というのは異業種のさまざまな人との出会いや、優れた知見に溢れています。

 

 経営者がその姿を見せることで、必ずスタッフにも伝播します。経営者の姿勢が浸透すれば組織は必ず様変わりします。成長とは絶えず変化することともいえます。ただ待つだけでは変わることはできません。自ら、今動かなければ、いつまでたっても何もしないことになるでしょう。そして何もしないその結果は言うまでもありません。

 

 経営者の皆さん、常に外を向いていますか?

 会社の将来のために学び、動いていますか?