コラムNo.73 店舗の集客をするその前に

  さて、当たり前の話ですが、店舗ビジネスでは店を新規にオープンしたからと言って、勝手にお客様が大挙して来店されることはまずありません(すでに人気で話題の店は別ですが)。下手をすれば店がオープンしたことすら知らない人が多数を占めます。ですので認知度を上げ、集客を図るための施策が必要となります。

 

 また、集客というのは店舗がオープンしてある程度の年数がたったとしても、必要な施策であり、継続してやるべき最重要なことの一つです。顧客が増えてきたとしても、絶対にさぼることのできない仕事なのです。

 

 だからといってむやみやたらと無計画にチラシを蒔いたり、DMを出したり、媒体に広告の掲載をしたりとお客様にアプローチをかけても、ほとんど反応は得られないでしょう。その内容うんぬんのまえに、自社が顧客としたい層に届かなければ全く意味がないのです。

 

 ですから、このコラムでも口を酸っぱくしていっているとおり、事前にしっかりと顧客像の設定を行う必要があり、集客の際にはその顧客候補が一体どこにいるのか、どこにアプローチをかければその反応が最大限得られるのか、を考えて集客施策をおこなうことが肝心となります。

 

 「何を当たり前のことを…」という声が聞こえてきそうですね。しかしながら、自店がどういうお客様に来ていただきたいのか、という部分が軸としてなければ、あらゆる媒体で全方向的に集客のための広告宣伝をすることになります。これでは時間とお金と労力を無駄遣いするだけです。しかも思いのほかそういう店は多いのです。

 

 なぜこのチラシがここに…  なぜこの店の広告がこの媒体に…  具体的には高級料亭のチラシが新聞に折り込まれ、さらに自宅ポストに直接投函され、ホットペッパーにも掲載され、しまいにはファックスDMが届く…  ターゲットがズレていれば誰も見てくれないうえ、万が一反応が得られたとしてもその価値は伝わらず、価格だけに反応するお客様を集めることにもなりかねません。

 

 こうした事態を避けるためには、自店の利用を促すお客様の特徴を最低でもデモグラフィック要因(年齢、性別、居住地域など事実要因)とサイコグラフィック要因(ライフスタイル、価値観、嗜好など心理的要因)とで把握し、どういうアプローチが効くのかを試行錯誤することがもっとも確実な方法です。

 

 現在さまざまなウェブ広告が隆盛し、メールはもとよりSNSでの個別的アプローチも当たり前になっています。とはいえ、昔からある新聞の折り込みチラシやハガキDM、チラシのポスト投函が全く使えないのかと言えばそうではありません。

 

 それこそ、効果的な広告はそのお客様によってまったくちがうのです。店舗経営者はつねに自店のお客様が何に興味を持ち、何から情報を得ているのかを把握するべきです。直接お客様から聞くことも必要でしょう。

 

 新規店舗であれば、事前の調査をぬかりなく行うべきです。最初から上手くいくことはありませんので、試行錯誤を繰り返し、効果的な方法を見出していくことが唯一の近道となります。事前の調査やそれに基づく予測は、成功するためではなく、方向を見失うことで大きく失敗しないために絶対やるべきなのです。

 

 集客施策はどれかひとつだけやっても効果は少なく、あらゆる角度から攻めるべきでしょう。顧客像からズレたやり方はもちろん避け、調査や予測の結果を見たうえで、その顧客に到達するような媒体、タイミングで訴求することです。

 

 具体的な店舗の集客施策としての広告では、地元のタウン誌、地域のフリーペーパー、新聞折り込みチラシ、ハガキDMFAXDM、メールDM、自社ホームページ、各種SNS、ホットペッパーやぐるなびなどの集客サイト、リスティング広告、ディスプレイ広告… などなど、挙げれば枚挙にいとまがありません。

 

 すべてやる必要はありませんが、ひとつだけでは成果は得られないため、複数を組み合わせてやることを常に考えましょう。

 

 繰り返しになりますが、どの集客方法をとるかは事前の調査と予測により決定します。自社の顧客像に合致し、到達可能性の高いものを選び、なおかつ試行錯誤しながら効果を上げていくのです。

 

 時間とお金と労力の無駄遣いをしないためにも、自社の顧客像をしっかりと把握することが繁盛する店舗の必要条件となります。

 

 さて経営者の皆さん。

 御社ではどのような集客施策をおこなっていますか?

 それは本当に顧客に届いていますか?