コラムNo.77 店舗における顧客化のコツ

 

   店舗ビジネスにおける顧客リストの重要性は皆さんお分かりだと思います。

 

 しかし顧客リストをいくら集めてもそれを活用しないことには全く意味がありません。顧客リストをもとにお客様さまにアプローチをしなければ、まさに宝の持ち腐れとなります。少なくとも3ヶ月に1回は接触をしないとお客様は忘れてしまうのです。

 

 お客様があなたの店に再来店しない一番の理由は「忘れていた」そして「なんとなく」です。あなたの店が気に入らなかったわけではありません(まれにありますが)。ですから来店のきっかけを作らないと、移り気なお客様は新しいもの、人気のあるものへ流されていきます。

 

 お客様との関係性を深め、お互いの利益を高め合うためのツールが顧客リストです。そこには「継続」というキーワードが浮かび上がってきます。

 

 お礼状、あるいはサンキューDMは来店から3日以内に必ず出し、さらに、その後最初の来店から3ヶ月以内に次の来店が無ければ、必ずアプローチを行うことです。業種にもよりますが、3ヶ月以内に2回目のご来店があれば、顧客になる可能性は飛躍的に高まります。そしてその後もう1回、つまり合計3回ご来店されるとほぼ確実にお得意様になっていただけるのです。

 

 飲食、サービス業などのリピート率は3割程度だと言われています。その数字を伸ばせるのは店舗で働くスタッフです。黙っていてはお客様は綺麗さっぱり忘れています。全く悪気はありません。アプローチをしない店舗側にすべての責任があるのです。

 

 ですから、店舗で働くスタッフは顧客をしっかりと把握し、顧客リストにはその都度情報を書き加え、いつ、だれと、どんなことを話し、何を購入、また利用されたのかを皆が共有するべきです。これを積み重ねると、顧客ごとのアプローチの時期もわかってきます。つまり自然に任せた非効率な「待ち」の商売から、効率的な「攻め」の商売に転換できるのです。

 

 これは店舗だけではなく、お客様にとってもいいことで、お互いに最適のタイミングでサービスの提供、利用ができ、満足度はもちろん上がります。そしてこの行動を「継続」することが店舗の本当の差別化、強みとなるのです。

 

 少し話はそれますが、好意を持たれるコミュニケーションとは時間の長さではなく、接触回数が大きく影響します。1回当たりの接客時間が長ければいいというものではないのです。心理学で「単純接触効果」と言われ、誰でも会った当初は警戒心が強く、それからだんだんと慣れていき、安心感から好意へと移っていきます。何回も会い、話をすることで親近感が深まります。これは人の動物としての本能の名残だと言われています。

 

 つまりすべての人間はこの傾向を持つということです。顧客リストを使い、お客様と接するタイミングや回数をマネジメントすることが、いかに重要かがわかると思います。

 

 すべての人間に当てはまるのであれば、当然店舗ビジネスだけではなく、営業などの仕事でもつかえる技術です。たとえ短時間でも顔を見せておくことは、見込み客にとってじわじわとボディーブローのように効いてきます。知らないうちに親近感がわき、赤の他人とは違う信頼関係が生まれたような気がします。そもそも論ですが、人は信頼関係が無い人からモノは買わないのです。

 

 もっとも、営業は自身で接触回数のコントロールできますが、先述したように店舗は基本的に待つ仕事です。その分、お客様のコントロールは難しく、計画的に集客策を考え、行う必要があります。そのために顧客リストを十分に活用することが肝要なのです。繰り返しになりますが、その積み重ねが「攻め」の商売を可能にする一番の方法です。

 

 もちろん新規客の開拓は必要ですが、既存のお客様との関係性を深め、信頼関係を作る方が優先度ははるかに高くなります。常に新規客が多いとそのコミュニケーションコストは高くなり、収益、生産性の面でも不利になります。ゼロから説明するのと、510から説明するのではかかる時間も労力も違うのです。顧客リストを使い、継続した顧客管理をおこなうことで、目に見える数字以外の競争優位性を築けます。

 

店舗経営者はその仕組みをつくりあげなければならないのです。

 

そのために考え抜かれたマニュアルはありますか?

現場に任せすぎていませんか?