ニュースの論点No.100 定額制サービスの難しさ

 

 「ゾゾ、服の定期便終了へ」2019326日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「衣料品通販サイトゾゾタウンを運営するゾゾは3月末で、登録したユーザーごとに服をコーディネートして定期的に配送するサービス「おまかせ定期便」を終了する。」

 

 おまかせ定期便は、同社のスタッフがユーザーに似合うと思う商品をゾゾの50万点以上の商品から510点を定期的に送るサービスです。ユーザーは自分が気に入った商品だけを購入し、その他のものは返品します。サービス自体には料金がかからず、購入代金と送料だけの負担となります。

 

 ゾゾは同サービスを4月以降の申し込みを停止する予定で、プライベートブランド事業に経営資源を集中させ、赤字からの脱却を図るとのことです。

 

 アパレル業界には、似たようなサービスが複数存在し、ストライプインターナショナルの「メチャカリ(月定額の洋服レンタルサービス)」は3年余りかけて年間黒字が視野に入っています。他にもスーツの定額レンタルなどを展開している企業がありますが、撤退も相次いでおり、比較的短期間で終了するサービスも多い印象です。ゾゾも例にもれず、20182月に始めたサービスですが、1年余りで撤退となりました。

 

 近年、サブスクリプション、簡単に言えば定額で使い放題のサービスはアパレル以外にも様々な業界で展開されています。車はもとより、時計、コーヒーやラーメンの飲食物に至るまで多種多様なサービスが乱立しています。ゾゾのおまかせ定期便はいわゆるサブスクリプションとは少し違いますが、それに準ずるサービスと言えるでしょう。

 

 もともとサブスクリプションは雑誌の定期購読の意味合いがあり、それが転じてモノの利用権を借り、期間に応じて料金を支払うサービスの呼称となりました。いくらでもコピーができたり、在庫を持つ必要のないコンピュータソフトなどはサブスクリプションとの相性も良く、そのサービスも多く存在します。

 

 一方、モノとしては車などの耐久消費財であれば、ある程度無理なくサービスの提供ができる反面、洋服などすぐに劣化し、いくらレンタルでも古着然としたようなものは嫌がられる傾向にあるでしょう。また嗜好品の面もあり、多くの種類を用意する必要もあります。その点で、メーカーであるストライプインターナショナルは在庫量や種類も問題なく用意することができ、さらに腰を据えてやった結果、黒字化を達成しつつあるのではないでしょうか。

 

 どんなサービスでも、会員数を増やすのは並大抵のことではできず、地道に時間をかける必要があります。一気に増えれば一気に減るだけであり、仮にお金で釣って会員数を短期間で増やしても、決して良いことはありません。

 

 撤退する判断が早いのは良いことではありますが、サービス次第では腰を据えて提供していく姿勢があります。色々な事情があり余計なお世話かもしれませんが、今後、ゾゾはもう少し時間を使って地道に会員数を増やす施策を行っていくべきだと思います。