ニュースの論点No.103 組み合わせを変えるだけで…

 

 「美容室が『町の電器店』」2019413日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「美容室など異業種が家電を販売するケースが増えている。家電を卸売りするヤマダ電機グループなどから仕入れ、得意客に販売して新たな収益源にする。こうした隠れ電器店が新たな勢力になりつつある」とのこと。

 

 仕組みとしては、加盟料10万円と、月1万円の会費を家電卸会社に支払うことでヤマダ電機とほぼ同じ値段で家電を仕入れることができるようになっています。美容室以外にもボイラー店、不動産店など高齢者を中心とした顧客を持つ店舗が加盟店となっています(2018年度末で3793店が加盟)。いわゆる町の電器店は減少の一途をたどっており、ピークの71千店(1982年)から12850店(20年度末)となる見込みだと同記事は伝えています。

 

 これまで美容室は美容目的以外の商品も扱っている場合はありましたが、家電まではなかなかなかったと思われます。美容室が販路として魅力的なのは、その圧倒的な店舗数があります。国内では現在約24万店が営業しており、数で言えば57千店あるコンビニの4倍以上に上ります。

 

 さらに美容室は基本的に顧客商売でもあり、お互いの信頼関係もできあがっていることから、顧客のニーズがくみ取りやすく、スタッフからさまざまな「お勧め」がしやすい状況でもあるのです。

 

 だからと言って何でもかんでも扱うのは論外ですが、親和性がある商品であれば、まさにウィンウィンウィンの三方良しといえるのではないでしょうか。

 

 商売には常に工夫が必要であり、視野の狭い凝り固まった頭では良いアイデアは浮かんできません。既存のアイデアを組み合わせることが商品開発の王道でもあり、現状を打ち破る近道でもあります。

 

 本記事は物販とサービスの組み合わせですが、少し視点をずらせば様々なアイデアが出てきます。例えば、規制を無視して考えると、歯医者と美容室を組み合わせることはできないのか(個人的に一緒に済ませたい)。スポーツジムと健診が一体化できないのか。タクシー会社が社屋で居酒屋を経営したらどうなのか。など、ばかばかしいアイデアから将来大きく育つ種が生まれます。

 

 今の延長線上で商売を考えていくと、どんな業種でもどこかで行き詰ってしまいます。常に将来への投資をするためにも、「投資に値する仕組み」を考えていきましょう。上手くいっている今こそ、新たな一歩を踏み出す一番いいタイミングなのです。