ニュースの論点No.104 誰がお客様なのか

 

 「75歳以上世帯が4分の1 2040年推計 単身は500万人超 介護・年金変革迫る」2019420日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「国立社会保障・人口問題研究所は19日、2040年までの世帯数の将来推計を公表した。40年には世帯主が75歳以上の世帯が1217万と、全体の4分の1を占める。一人暮らしは全体で1994万人と全世帯の約4割となり、75歳以上の一人暮らしも500万人を超える」としています。

 

 データから、40年には75歳以上世帯の4割が一人暮らしになるということが読み取れます。社会的インフラや保険などの仕組みの見直しも急務ですが、店舗ビジネスの視点からすれば、戦略の見直しも必要になってくるでしょう。

 

 あらゆる推計の中でも、人口の推計はほぼ確実な未来を表します。これまでも散々少子化、高齢化と言われてきました。それがじわじわと少しずつ現実となっているため、日々の生活からはあまり実感が湧きません。しかしふと意識的に周りを見渡すと、コンビニでもスーパーでも、百貨店でも、従業員、スタッフ問わずご年配の方が多く、少子高齢化という言葉の重みを感じてきます。

 

 これまで若年層をターゲットとしていた店舗ビジネス企業は、その多くが先述のように戦略の見直しを迫られ、提供する商品のリニューアル、あるいは抜本的な見直しを余儀なくされるでしょう。コンビニ、スーパー各社は総菜の小分けや少量化をすることで、シニアのおひとり様にも対応しており、売上も伸びてきているようです。私自身も買い物をする際、実際に店舗でよく見る光景です。

 

 ちなみに、現在100歳以上の高齢者の人口は69785人に上り、老人福祉法が制定された1963年の153人から456倍!となっています。一方、出生数は3年連続で100万人を割り込んでおり、平成30年は92万人と統計開始以来の過去最少を更新しています。これらのことから、少子高齢化は収束するどころかますます拍車がかかっていると言えるでしょう。

 

 ただし、だからといって皆が皆シニア層をターゲットにする必要もないですし、言われなくても若年層をターゲットにする企業はどんどん出てくるでしょう。人口減少はその市場がレッドオーシャンになりやすく、企業間の競争も激しくなりますが、それ以上に購買意欲のある世代は魅力的であり、強い参入動機にもなります。

 

 店舗経営者の皆さんは、今、まさにここで自身の店舗が「誰に、何を、どのように」提供するのか、という戦略の軸を考え直すべき時期です。ぜひ時間を作って実践していただきたいと思います。