ニュースの論点No.11 外食、中食、内食の行方

 

近年、コンビニエンスストアやスーパーなどで

イートインスペースを設ける店舗が増えています。

 

サンケイビズによれば、セブンイレブンは約19

店舗中2000店舗(1611月)、ファミリーマートは

18千店舗中4000店舗(1610月)、ミニストップは

2242店舗にイートインスペースを設置しています。

 

また、日経新聞はスーパーのイオンが

食品売り場に50席以上の飲食スペースを

設けた店を3年以内に150店に倍増させるという

記事を掲載しています。

 

その他、挙げればキリがないくらい、大小さまざまな

食品小売り店舗がイートインスペースを増やしています。

 

これは顧客の利便性を高めるための動きであり、

買ってすぐその場で食べることができる、ゴミを

捨てられる、往復時間の節約などの利便性向上と同時に

滞在時間を長くすることや来店頻度の増加に

ともなう売上アップも当然目論んでいるでしょう。

 

一方で、外食産業である飲食店ではコンビニやスーパーに

客を取られまいとテイクアウトやデリバリーなど

中食事業参入の動きも増えてきているようです。

 

外食とは、文字通り飲食店など外で食事をとる形態です。

また、内食は自宅で調理し、食事をとる形態であり、

中食は外食と内食の間で、調理済みのものを購入し、

自宅や会社などで食事をとる形態となります。

 

2016年版総菜白書(一般社団法人日本惣菜協会)によれば、

「食」の市場規模は2014年度の時点で68兆4514億円です。

この10年間で1%増とほぼ横ばいとなっています。

 

「食」市場を内食、中食、外食に分けてみてみると、

(カッコ内は10年間の増減です。)

2014年時点で内食は34兆8223億円(2.7%減)

中食は9兆2605億円(22%増)

外食は24兆3686億円(0.1%減)

と中食が大きく伸びていることが分かります。

 

外食はほとんど変わらないことから、

内食が中食へとシフトしてきていると推測できます。

 

これには様々な理由があると思われますが、

まずは働く女性が増えたことで、家事に対する時間が

相対的に取れなくなったことは大きいでしょう。

 

また、高齢化が進み、夫婦、あるいは一人で暮らす

高齢者の方が増加したことにより、少量で簡単に

食事を済ませることができる、という需要を

満たしたことも大きいと思われます。

 

要は調理する時間がない、またその手間をかけたくない、

かけられない人々の増加と、その需要に各業界が

対応したことによる相乗効果で中食が伸びてきている

ということです。

 

コンビニはそもそも飲食料品を多く扱い、現在では

売上全体の7割を加工食品、日配食品、ファストフードなど

飲食料品で占めています。

ローソンを参考にすると、タバコの売上が全体の2割以上を

占めることから、日用雑貨品は1割程度の売上になります。

 

つまり、飲食料品がコンビニの売上の核であり、

そこを取らないと死活問題になるということです。

実質的にコンビニは食品小売業なのです。

 

中食市場の伸びは、基本的にコンビニ市場の伸びが

大きく貢献していることは間違いないでしょう。

 

中食と言われる前から、コンビニは弁当、

総菜など充実していましたし、ここにきてさらに

その種類、品質など格段に上がっています。

 

そして冒頭のイートインスペースの拡充です。

 

最近では、店内での飲食は当然として、アルコールの

提供やつまみを盛り付けるサービスまであります。

 

こうなってくると、外食から中食へのシフトも

進んでいく可能性があります。

 

というよりも、テクノロジーの進展で産業の壁が

なくなっていくのと同じく、内食や中食、

外食といった分け方が上手く機能しなく

なってくるでしょう。

 

実際に、シェアリングエコノミーの進展で

空きスペースの活用も盛り上がってきています。

スペースマーケットなどを使い、場所を確保したうえで

出張料理やケータリングなどは今や安価で誰でも

簡単に予約できます。

 

これはどういう部類に入るのでしょうか?

 

外食か、内食か、はたまた中食か…なんていうことは

お客様からすればまったく関係ありません。

 

今の状態が急激に変わることはないかもしれませんが、

確実に変わります。

 

現在店舗を経営されている皆さんは、しっかりと先を

見据えて行動しないと、昔のままであれば、いつの間にか

取り残され、撤退を余儀なくされることになります。

 

自社の顧客は何を望んでいるのか、何を目的に

来店されるのかを常に問うことが重要です。

 

商談をする、同僚とのランチ、休みの日にカップルで使う、

仲間と楽しくパーティをする、結婚式の2次会、

同窓会、忘年会、地域の集まり…などなど。

 

コンビニやスーパーのイートインスペースで商談や

デートはしないでしょうし、高級料亭や3つ星フレンチを

仕事中の昼食では使わないでしょう。

 

人間である以上、食事は必要です。

1日3食、あるいは2食をどこかで必ず摂ります。

 

普段使いか特別な日か、いずれにしても顧客の頭の中に

選択肢として入っていないと絶対に使ってもらえません。

 

自社の顧客はなぜ利用してくれているのか、

考えてみてください。

わからなければ、近い将来、顧客は豊富な選択肢の中に

流れていくでしょう。

 

単におなかを満たすためであれば、これからの

店舗としては存続していくのは難しいと考えてください。

プラスアルファの価値がなければ、お客様は

使ってくれません。

店舗に行く意味がないと、誰も足を運ばなくなります。

徹底的に顧客、自社、他社を研究し、実践してください。