ニュースの論点No.115 所有は金持ちの道楽

 

 「買い物は売る前提 フリマアプリ市場規模拡大」201978日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「メルカリや楽天がサービスを手掛けるフリマアプリが浸透してきた。経済産業省の調べでは、2018年のフリマアプリの市場規模は6392億円。この2年間で2倍に急成長した。」

 

 「消費者のモノの買い方にも変化が見られ、すぐにアプリで売ることを前提にモノを買うワンショット消費が若者を中心に広がっているようだ」としています。

 

 インスタグラムやフェイスブック、ツイッターなど、SNSが老若男女を問わず承認欲求を満たすためのツールとして機能し、現代日本のモノに対する欲望が薄まったと言われる中で、仲間内、あるいは不特定多数へのアピール材料としてのモノへの欲求を高めているのでしょう。

 

 ただし、所有に対する欲求が高まっているのではなく、「写真を撮って見せるため」の消費であることに注意が必要です。これは飲食物でもいえることで、おいしいのは当然として、写真でのアピールができなければ、価値が低くなり、選ばれにくくなります。

 

 モノについては、写真を撮ったらそれで終了。所有するつもりがないから、すぐにフリマアプリで売ってしまうのでしょうし、売れたそのお金でまた気になるモノを買い…といったサイクルもアプリ内で簡単にできます。ある意味レンタルサービスとも言えそうですが…

 

 また、「売れるから多少高いものでも買う」という人も増えつつあるようで、アプリ利用者の28%が新品の購入単価が上昇したと答えています。しかしこうなると流行のサイクルはさらに短くなってしまい、あっという間に「ダサいモノ」になってしまいそうです。特に写真で分かりやすいロゴや色やデザインが好まれそうですから、流行りは一瞬で終わりそうですね。とすれば、売るにしても早く売らないと、売り時を逃すと誰にも見向きもされなくなる恐れがあります。

 

 

 最終的にはババ抜きのババのような扱いになりそうですが、それでも皆アピールのためには頑張って買って売ってを繰り返すのでしょう。一体同じ商品がどれだけの数のオーナーの元で使われるのでしょうか。気になるところです。

 

 ともあれ、フリマアプリはこの時代だからこそ定着したような気がします。というよりもこの時代だからこそ出てきたサービスであり、世間のニーズに応えた結果が現在の高い成長性だということでしょう。

 

 この先、モノを所有するということは非常に贅沢なことになりそうです。あえて所有するのはお金や時間、場所といった資源の余裕がないとできない、一部の金持ちの道楽になるのではないでしょうか。