ニュースの論点No.116 お店を選ぶ基準

 「価格で飲食店選ぶ 8割 グルメサイト利用で」2019717日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「飲食店情報サイトを閲覧する際、利用者評価よりも価格帯を重視する。こんな傾向が日本政策金融公庫の調査でわかった。特に男性の閲覧者がレビューや飲食店のメニューよりも価格帯を重視している。」としています。

 

 記事中では飲食店を選ぶ情報源(複数回答)として家族、友人(42.2%)、食べログ(42.1%)、ぐるなび(28.7%)ホットペッパーグルメ(22.6%)を挙げています。

 

 また、サイトで重視する情報(複数回答)は、「価格帯(81.7%)、提供しているメニューの数や種類(68.1%)、料理の写真(67.1%)地図等、店舗へのアクセス(49.6%)店内の写真(45.8%)利用者評価(45.3%)」ということです。

 

 さらに興味深いのは、飲食店の環境や設備で気になる点で、「店内が薄汚れている(26.8%)、店が狭い(25.6%)、たばこ臭い(22.9%)、トイレが汚い(22.7%)、店内が油っぽい(21.8%)」となっていることです。

 

 この調査結果に対し、「ふーん、そんなもんじゃない…」というリアクションで終わってしまっては、非常に勿体ないと思います。特に飲食店経営者をはじめとした業界の方々にとっては、自分事として振り返りを行い、経営改善につながるヒントが満載なのです。

 

 アンケートを細かく見ていくと、まず飲食店を選ぶ際の情報源としては、やはり周囲の人からの口コミは4割以上と相変わらず相当なパワーがあります。また、グルメサイトもすでに文化として根付いており、まずは検索して…という人は私も含めて大半を占めるのではないでしょうか。これらを生かさない手はありません。

 

 次に記事のタイトルにもなっていますが、サイトで重視するのは価格が大きく、意外にもレビューの評価は4割強の人しか重視しないとのことで、皆さんしっかりしていらっしゃいます。まあ、レビューもステマとかクレーマーからの誹謗中傷とか同業他社からの嫌がらせなど情報の信ぴょう性が微妙ではありますが…

 

 そして飲食店の環境、設備については要するに店舗の5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)ができていないところはダメだということです。あと「狭い」のもダメみたいですね…私も狭い店はちょっと苦手です。

 

 ここで強調したいのは、飲食店で清潔感のないところは必ず早期に潰れるということです。当たり前と言えば当たり前の話ですが、分かっていない経営者も多い。特にトイレは一番それが表れます。これら5Sは当然として、最近はタバコもなかなか嫌われています。全面禁煙にする飲食店も増えてきており、今後は当たり前になるでしょう。

 

 最後に、本記事では飲食店は価格で選ぶ…というニュアンスですが、価格重視というのは、単に安ければよいというものではなく、お手頃感、つまりモノやサービスの割に安い、というのが本意でしょう。安かろう悪かろうだといずれ客足は鈍ります。お客様もそんなに無知ではありません。

 

 飲食店に限らず、商売の本質は相手の「期待値を超える」ことが最重要です。本記事の調査結果は、期待値を理解するにはいい材料となります。よくあるデータだ…とスルーせず、店舗経営に生かしていきましょう。