ニュースの論点No.118 禁煙くらいで店を潰すな

 「顧客満足度 カフェ、ドトール首位」2019724日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「日本生産性本部がまとめた2019年度日本版顧客満足度指数調査で、ドトールコーヒーがカフェ部門の1位になった。分煙やサイドメニューの豊富さが評価された。」としています。

 

 2位はカフェ・ベローチェ、3位はスターバックスとなっており、価格や利用頻度などでドトールやベローチェが高く評価されたとのこと。また、ドトールとベローチェはいずれも店内が分煙となっており、そのことも満足度に寄与しているとの見方がなされています。

 

 20204月には、国の改正健康増進法と東京都の受動喫煙防止条例が全面施行されます。改正健康増進法では、原則的に飲食店では屋内禁煙で、喫煙専用室を設けることで紙巻きたばこや加熱式たばこの喫煙が可能となります。ただし、客席面積が100平方メートル以下、資本金5000万円以下の既存店という基準を満たせば規制の対象外となり、喫煙可能と店先に表示することで喫煙が可能となります。

 

 受動喫煙防止条例については、健康増進法より規制が厳しく、上記の基準に加えて「従業員がいないこと」という条件が加わります。来年4月の施行後は、全国の飲食店では45%の店舗が規制対象となり、東京都に関しては84%の店舗が規制対象となります。

 

 喫煙専用室については、紙巻きたばこ専用の場合は「飲食不可」、加熱式たばこ専用の場合は「飲食可」となっていることにも注意が必要です。様々な制約があり、わかりにくいこともありますが、基本的には喫煙者にとって来年4月以降は肩身が狭くなることは間違いないでしょう。

 

 店舗にとっても、規制されるとなると喫煙専用室を設けなければならず、予算の関係から完全禁煙にする店も増えるのではないでしょうか。特に都内は84%の店舗は規制対象となるため、すべての店が喫煙専用室を作ることは現実的に見ても厳しそうです。

 

 時代の流れと言えばそれまでですが、この大きな波は決して元に戻ることはないでしょう。飲食店を今後新規オープンさせる場合、最初から完全禁煙にした方が良さそうです。

 

 ちなみにJTの調査では、一番古い昭和40年の数値を見ると、なんと男性の喫煙率82.3%!…同年の女性は15.7%となっています。そして現在、平成30年になると男性27.8%、女性8.7%と特に男性が大きく減少していることが分かります(54年前との比較ではありますが)。

 

 完全禁煙にして閉店に追い込まれるほど影響がある店舗もあるかもしれませんが、かなり少数派ではないでしょうか。男性7割、女性9割がタバコを吸っていないわけですから、大半のお客様は完全禁煙でも構わないと思われます。むしろ分煙ですら嫌な人も多いのでは…

 

 ここで私が一番言いたいのは、完全禁煙にしたくらいで店がつぶれるようならば、それはタバコのせいではなく、経営者の能力のなさが原因だということです。「これはうちにとって死活問題だ!」と叫んでいる暇があれば、どうすればこの状況をチャンスにできるのか?を考えるようにしましょう。繰り返しますが、タバコごときで店がつぶれるのは、100%経営者の責任なのです。