ニュースの論点No.126 アマゾンへの対抗策 

 「米小売店、3年で1万店減 アマゾン・エフェクト猛威 淘汰の波 アパレルも」2019923日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「米小売り大手のシアーズ・ホールディングスなど名門小売企業の経営破綻が相次ぎ、米国で閉鎖した店舗数から開店した店舗数を差し引いた純減数は2017年以降で計1万店となった。」としています。

 

 米国の小売店が数多く破綻しているニュースは以前から流れていましたが、その速度が緩むことなく淘汰が進んでいるようです。小売で成功を収めていた古参企業は、アメリカだけではなく、ここ日本でも戦々恐々としているのではないでしょうか。

 

 各小売店は真綿で首を締めるがごとく、じわじわと追い詰められ、気づいたときには売上が半分になっていた…などという笑えない話がますます増えてくるのは間違いないでしょう。別にアマゾンを応援しているわけではありません。ただ、お客様は便利で快適な方に流れるのは世の必然です。アマゾンにも良かれ悪しかれな部分はありますが、非常に使いやすいのは事実です。

 

 お客様は買い物しなくなったわけではなく、買い方が変わっただけです。アマゾンによって淘汰される店は、わざわざ車に乗って買いに行くような価値がないと判断されたのでしょう。同じような商品で、特にサービスもなければ…

 

 アメリカではゴーストタウン化したショッピングモールも増えつつあり、その後が廃墟のままとなるのか気になるところです。日本でも似たような事例が今後出てくるでしょう。とはいえ店舗のすべてが無くなることはありません。適正数までは容赦なく潰れていくと思われますが、必要な店は必ず生き残ります。

 

 お客様は既存の小売店が嫌いになったわけではなく、比べた結果アマゾンで買い物をするようになり、それが習慣化しただけです。アマゾンに淘汰されやすい小売店は「よくある商品」を「何の工夫もなく」「大した顧客サービスもせず」販売しているところです。

 

 そんな店に自分の大事な時間を使って行く人は今後激減していくでしょう。ネット通販を使うとそれが体感として鮮烈に残りますので、なおさらギャップを感じやすく、リアル店舗のダメな部分がはっきりと可視化されます。

 

 逆に良い部分も見えやすく、感じ取りやすくなります。リアル店舗の強みは「実体験」です。同じ空間で人と人、人とモノが実際に触れあい、交流し、五感で感じることはリアル店舗だけの特権であり、ネットには到底真似できません。

 

 単にモノを仕入れ、右から左で儲ける商売はもうあきらめたほうが良いでしょう。もし今あなたが小売店を経営されているのであれば、実体験をベースにした付加価値を今すぐ考え、実践してください。「真心を込めた接客」とは名ばかりの、単なる商品説明は付加価値とはなりえません。店舗運営のすべてを見直す時期にきているのです。