ニュースの論点No.127 明朗会計が最強

 「スシロー 消費税率が0%になるトラブル」2019101日、NHK NEWS WEBはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「大手回転寿司チェーンスシローの一部店舗で、システム不具合が原因で本来なら10%になる消費税が0%になり、そのまま税抜き価格のみで会計をおこなっている」とのことです。

 

 さて、101日より消費増税がスタートし、一部の軽減税率対象品を除き、8%から10%へと税率が上げられました。政府の景気対策として先述の軽減税率導入、加えてキャッシュレス決済でポイント還元、プレミアム商品券などが導入され、現場の負担は人手不足の中、どんどん増しています。

 

 その中で起きた本記事の不具合によるトラブルですが、他にも様々な企業でシステムの不具合は起きている模様です。単純に2%税率を上げるだけでも何かしらトラブルは起きそうですが、今回はわけのわからない増税対策がプラスされたおかげで、トラブルのリスクは相当高くなったと言えるでしょう。

 

 101日に地元の繁華街を歩いてみましたが、キャッシュレス決済でのポイント還元をアピールする店舗はほとんど見られませんでした。政府発表によれば、現在約50万店は登録加盟しているそうですが、全国に200万店舗と言われる対象店舗の4分の1ということで、大半の店舗は登録申請中か、もしくは何もしていないと思われます(面倒くさいのか、はたまた制度自体を知らないのか…)。

 

 政府以外にも各社各店でさまざまな増税対策を行っていることもあり、何がどうなっているのか、どうしたら一番お得な買い方ができるのか、誰も答えがわからない状況になっているのではないでしょうか。

 

 政府の対策は、消費者にも店舗にも負担ばかりがかかって、それに見合うようなメリットは全く期待できず、しかもそれに対して数兆円の予算を計上するという壮大な無駄遣いとして歴史に残るのは間違いないでしょう。

 

 軽減税率は単なる混乱の元にしかならず、キャッシュレス決済でのポイント還元はそもそも導入に対して店舗側の反応が薄い。私に言わせれば、どちらも全くやる必要はなかった愚策にすぎません。増税前から言っていますが、すべて10%に上げるか、8%のままにしておくべきでした(大体課税する側がおカネをばらまいてどうするのか。値上げしながらその場で割引をする店舗と同じで、そこには手間と不信感しか残らない)。

 

 せっかくの景気対策を知らない、また理解しにくいことで効果は半減し、増えるであろう税収も無駄遣いにしかならない… 店舗としては独自に対策を練り、何とか売上を確保しようと手を打つことで、ますますよくわからない会計方法となる…

 

 価格の高い安いも売れ行きに大いに関係しますが、「価格のわかりやすさ」は購買の意思決定に際し、非常に大きなウェイトを占めます。「結局いくらなの?」に対し、0.1秒でわかるようにしておく。このことをしっかりと理解した上で、店舗経営者に皆さんには価格戦略の見直しを図っていただきたいと強く思います。