ニュースの論点No.129 コンビニ弁当はあきない?

 「巨人セブン&アイ、見えぬ成長戦略 営業最高益で大リストラ 周回遅れの店舗大量閉鎖」20191014日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「セブン&アイ・ホールディングスが大規模なリストラに乗り出す。傘下の総合スーパー事業、百貨店事業では閉店や人員削減をするほか、稼ぎ頭のコンビニエンスストア事業では加盟店のロイヤルティーを引き下げる。」としています。

 

 セブンイレブンは約1000店舗の閉鎖、移転、そごう・西武は5店舗の閉鎖で約1300人の削減、イトーヨーカドーは33店舗の閉店または外部連携の検討で約1700人の削減と大幅なリストラ策を打ち出しています。

 

 何年にも渡り、セブンイレブンが百貨店のそごう・西武、総合スーパーのイトーヨーカドーの不振を補う形となっており、グループ営業最高益だとしても全く楽観できる状況ではなく、早めのリストラ策を打ち出したということでしょう。

 

 さすがのセブンイレブンも国内には出店余地がなくなりつつあり、店舗の純増数は2014年をピークに減少傾向にあります。これからは大量出店による成長ではなく、既存店の顧客満足度向上や効率化を推進し、付加価値をつけていくことで長く持続可能な経営にシフトしていくことが重要となるでしょう。

 

 私の経験上、またあらゆるデータから小売、飲食、美容などの店舗ビジネスはその多くが13年で廃業します。10年後に残るのは1割程度とも言われており、店舗経営の難しさがわかります。その中でごく少数の店舗が多店化し、34店舗のところで壁にぶつかります。さらにその中でごく少数の店舗が数十店舗のチェーン化に成功し、さらにさらにその中のごく少数が数百店舗の大規模チェーンとして全国にその名をとどろかせます。

 

 数百店舗のチェーンともなれば、直営だけではなくFC化も進み、店舗は爆発的に増えていきます。さて、ここで問題が生じます。「競合他社による模倣」と「商品レベルの低下」です。模倣はいわゆるパクリ業態です。人気がある店は必ず模倣されます。売れるのが確実だからです。その結果、玉石混交で似たような店がガンガン増え続け、あっというまに飽和状態となります。自社、他社ともに急激に店舗が増えると、商品のレベルは目に見えて低下していきます。

 

 そこだけしかない。なかなか手に入らない。食べられない。サービスを受けられない。こういった「希少性」は「価値」を構成する重要な要素です。いつでもどこでも手に入る、食べられるとなれば価値は激減します。さらに商品自体のレベルが低下していれば、もう言うことはありません。飽和状態とはまさにそのことであり、要は「飽きられる」ということです。

 

 店舗ビジネスは飽きられたら「終わり」です。しかも飽和状態で似たような店が多数ある場合は、新規客もろくに取り込めず、一気に経営状態は悪化します。セブンイレブンは生活インフラとしての機能がありますので、多店舗化、また身近にあることが価値となっていますが、さすがに飽和状態であることは間違いないでしょう。

 

 便利ではありますが、たまには違う店で…と思うことはないでしょうか。弁当やサンドイッチなどクオリティは年々上がり続け、確かにおいしいのですが、何かこう…何を食べても同じ味のような… まあ、個人の意見はさておき、永遠に続く店などありません。セブンイレブンのリストラ策は早い方だと思います。

 

 コンビニ業界はフランチャイジーとの軋轢や、大量のフードロスなど、さまざまな視点から解決すべき問題が山積しています。この機会に、ぜひ新たなる一歩を踏み出してほしいと思います。