ニュースの論点No.131 店舗ビジネスの矜持

  「自由に使えるお金、月いくら?「1万円未満」2割、最多」20191028日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「インターネット接続事業者大手ビッグローブが実施したお金に関する意識調査によると、1か月間に自由に使える金額の最多は1万円未満となり、約2割を占めた。」ということです。

 

 調査は、有効回答数1000人、20代から60代を対象にインターネットで実施したとのことです。この自由に使えるお金がいわゆる「可処分所得」のことなのかどうかは不明なのですが、「必要なものにお金を使った後の残り」と考えると、お金については随分「不自由」な人が多いと言わざるを得ない状況です。

 

 低欲望社会になっているとはいえ、自由に使えるお金が1万円未満であれば、自分が欲しいモノやサービスの利用がほとんどできないのではないかと思われます。もちろん、すべての人がそうではないでしょうし、それでも特に困っていないという人もいるでしょう。

 

 経済の発展こそがこの世の最善だ!とは全く思いませんが、この状況のままだと、極論すれば生活に必要不可欠なモノやサービスしか生き残れない、あるいは不要不急の事業が生き残ったにしても、安価なモノやサービスの提供しかできないことになります。そうなると経済はどんどん縮小していくしかなくなるでしょう。そうなるとさらに所得は少なくなり、悪循環に陥っていくことは誰が考えてもわかります。

 

 扱う商品を問わず、サブスクリプション、つまり定額制サービスが増えつつあります。若年層に所有欲が少なくなったことも理由の一つだと考えられますが、「自由に使えるお金」の少なさもその背景にあるのは間違いなさそうです。

 

 日本は現在、様々な要因が重なって、失われた30年とも言うべき過程を経ています。誰が犯人だと決めつけることは無意味ですし、もしいたとしてもその人たちに景気を良くさせることなどできないでしょう。

 

 GDPを増やすことが課題ではありません。お金は単なる結果でしかないのです。それよりも市井の人々の「何か暗い気持ち」をどうにかしないことには、この先も同様の流れで行くでしょう。政策では解決を望むべくもありません。

 

 だからこそ、店舗ビジネス経営者の方には、「明るい未来」を想像させるような商売を作っていただき、自らもしっかりと儲かって、社会に対して「活き金」をどんどん使ってほしいと思います。店舗ビジネスは地域、ひいては日本を活気づける大事な仕事なのです。