ニュースの論点No.133 今後、どこに住んだらいいのか

 「食事宅配、シニア深掘り ワタミ、団地内に営業所」「ダイエー、初の移動販売」2019118日、日経MJはこう題した二つの記事を掲載しました。記事によれば、「ワタミは高齢者が多く住む団地内に営業所を設置。宅配スタッフも団地の住民で構成し、運営効率を高める」「ダイエーが今月から初の移動販売を始める。まずは横浜市内の県営団地などを週5日回り、年内には東京都内でも実施する予定だ」とのことです。

 

 二つの記事から読み取れるのは、高齢化社会がさらに進みつつある日本の状況です。要は自宅から移動できない、あるいは移動できてもほんの少しの距離である高齢者が相当数に上り、各企業も「我先に」とそこに注力してきているということです。

 

 もともと団地向けの移動販売や宅配はあり、それがさらに高齢者向けに特化し始めています。団地向けコンビニやマンション向け小売店なども出てきており、今後は益々その動きは加速していくでしょう。

 

 高齢者向けのサービスとして展開しても、そのサービスを利用するのは高齢者だけとは限りません。私もしばらくの間、ワタミのタクショクを利用したことがありますが、まったく違和感なく利用することができました。

 

 高齢者にとって便利であれば、それ以外の層にとってみても間違いなく便利なサービスなわけです。今まで「来てもらっていた」ものを、「こちらから出向く」スタイルに180度変更することで、各企業はサービスを提供する「手間」がかかるのですが、利用者が高齢者以外の人々も含まれるのであれば、なおさら効率は上がり、事業としても成り立ちやすくなるでしょう。

 

 ただし、今後は人口減少に拍車がかかります。サービスを提供する人がいなければ、どんなに便利なサービスを開発しても絵に描いた餅となってしまいます。となると、サービスの提供者、受益者が同じ場所あるいは近隣に住むことが一つの解決策となってくると思われます。

 

 その場所だけで生活のすべてが完結するような、一昔前で言えばコンパクトシティをさらに小さくコンパクトにしたようなまちづくりが必要になってくるでしょう。

 

 しかし、いまだに新築一戸建て住宅は増え続け、それはどんどん郊外に広がっています(中心部はすでにいっぱい)。それら新興住宅地を見るにつけ、数十年後はどうするのか、どうなっているのかと他人事ながら心配になります。今でもすでに日本全国にありますが、「ゴーストタウン化」は必至でしょう。自分たちの後は誰も住まないのですから。

 

 さて、少し話がずれましたが、今後どうなるかは、人口の推移を見ればある程度予測できます。増える高齢者への様々な対策も、誰も責任を持たない住宅政策も、どうなるのか自分でしっかりと考え、責任を持った行動をすべきでしょう。「こんなはずじゃなかった」と後悔はしたくないものです。