ニュースの論点No.136 お小遣いの使い方

 「景気回復しても小遣い減る サラリーマン月36747円」2019124日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「景気の拡大局面が戦後最長と言われるが、日本のサラリーマンの小遣いは一向に増えていない。2019年のサラリーマンの毎月のお小遣い額は平均36747円とリーマン・ショックのあった08年より9千円低い。」とのことです。

 

 この小遣い額はオイルショック後の8234100円の次に低い数字で、調査開始された79年以降で最低レベルとなっています。バブル期の90年には77725円あったそうですから、現在では当時の半分以下ということですね。

 

 新生銀行が行った当調査では、昼食代にも踏み込んでおり、男性社員では555円、女性社員では581円といずれも近年は上がっておらず、減少や横ばいで推移しています。他方、1か月あたりの飲み代は男性社員で13175円と前年より669円の微増となっています。

 

 さて、興味深いデータですが、あくまで目安としてみる必要があります。推移や傾向は十分参考になる半面、額は平均値となっているため、実態を反映しているかどうかは判断が難しいと言えます。年収や資産など、お金についての調査は「平均値」よりも「中央値(データを大きい、または小さい順で並べ、真ん中に来る数値)」が低くなる場合がほとんどと言われており、当調査も多少毛色は異なりますがお金の調査に該当するため、同様の傾向となる可能性が高いでしょう。

 

 つまり、平均値だけ見ると「みんな結構もらっているな…」となりやすいのです。一般的には、中央値の方がより実態に近い数値を表していると言えます。当調査の中央値は不明ですが、おそらく平均よりも下の数値になっている可能性が高いでしょう。

 

 また、「お小遣い」の中から、どこまでの支出を賄う必要があるのかを知ることも重要です。人によってはお小遣いで衣服代、携帯代から昼食、飲み会、ご祝儀などすべて賄わなければならないでしょうし、逆にそれらは除いて、お小遣いはすべて自由に使える人もいるでしょう。

 

 ともあれ、推移としてお小遣いが減少し続けていることはゆるぎない事実であり、これはつまり「自由に使えるお金が減少している」こととも言えます。もっと言えば、「生活に遊びの部分が少なくなっている」さらに「人生が楽しくない人が増えている(かもしれない)」とも考えられます。

 

 お金だけが人生の楽しみだとは思いませんが、少なくとも人生の一部はお金がないと成り立ちません。また、お小遣いは不変のものではなく、収入を増やすことでその額を無理なく増やすことが可能です。景気がいいのに給料は上がらず、小遣いも少なすぎる…と不満を言いながら現状で我慢することも一つの選択肢です。しかし、どうせだったら自由に使える時間、お金を増やし、充実した人生にするために「お小遣い」を「自己投資」に向けて活用していきたいものです。