ニュースの論点No.137 新しい介護

 「介護スナック 全国で」2019126日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「あたた(横浜市)は介護スナックをフランチャイズチェーン展開する。バリアフリーの店内で介護士などが接客する仕組みで、シニアの利用者が増えている。」とのことです。

 

 サービス内容としては、介護車両による送迎サービス付きで2時間飲み放題・食べ放題8000円。原則65歳以上か身障者が対象で、現在は特別養護老人ホームの団体利用が多く、すでに予約で埋まっているとのことで人気の高さがうかがわれます。同社はFCで全国200か所に展開することを目指しています。

 

 これは非常に面白い視点で興味深いビジネスモデルです。もともとシニアが集まる飲食店やカラオケスナックなどはありますが、介護士が常駐する店舗はこれまでなかったのではないでしょうか。介護と商売を上手く結びつけ、現場スタッフの待遇改善にもつながる可能性があります。

 

 また特別養護老人ホームや利用者の家族など、安心して預けることができ、本人も楽しい時間を過ごせるため、日ごろのストレス解消や認知症の予防などにも効果が期待できそうです。

 

 今後は間違いなく高齢者人口が増え続けます。言わば「ターゲット顧客」は増加の一途をたどるわけで、市場としても大きく成長することが見込めます。ただし、上手い話ばかりではなく、当然様々なトラブルが起こり得ます。

 

 特に高齢者や身障者を相手にする商売は想定外のことが起こりやすいでしょう。しかしそれらをノウハウ化し、誰でも対応可能にすればビジネスとしての可能性が無限に広がります。

 

 最近は非常に元気な高齢者、と言っては失礼なくらい体も心も若い65歳以上の方々が増えていると感じます。様々な調査でも、現在の高齢者は1020年前と比べて身体的に510歳は若返っていると報告されています。

 

 高齢者ではなくても、私は40代ですが、子供のころの40代(つまり親世代)と比べると見た目も中身も随分成熟していないような気がしています。今、高齢者と呼ばれる方々も実際の年齢より自分は全然若いと思われているのではないでしょうか。

 

 高齢者向けと言われるサービスに対し、「自分は高齢者ではない」という反発も考えられそうです。サービスが浸透してしまえば問題ないと思われますが、市場の黎明期にはそのあたりのさじ加減は上手く調整する必要があるでしょう。

 

 ともあれ、人口減少していく日本で、シニア市場は伸びていく数少ない市場の一つです。これからも果敢な攻めのサービスが期待できそうです。