ニュースの論点No.141 伸びるアウトレット市場

 

 「忙しいからアウトレット 2強売上最高のワケ」202018日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「苦戦する大型商業施設が増える中、アウトレットモールが好調だ。三井不動産、三菱地所系の2強の売上高は過去最高を更新」とのことです。この10年はいずれも売上を伸ばしており、2018年の売上は三井アウトレットパークが3289億円、プレミアム・アウトレットが3535億円と両社がしのぎを削りながら市場をけん引しています。

 

 伸ばし続ける理由として様々なものが挙げられますが、まず1点目として単なる増床拡大(アウトレットモールは基本的に増床拡大を前提にし、多くの場合開業時は未完成の状態。ディズニーランドをはじめとしたテーマパークも同様。当初から成長の余地を残しておき、お客様を飽きさせず集客の一助とする。リスク回避の観点からも。)だけでなく、これまでとは毛色の違うテナント構成にしていることがあります。

 

例えばメルセデスベンツやビアンキ、ダイソンなど人気ブランドを導入することで新鮮さとお得感を訴求し、新たな客層を掘り起こしています。

 

2点目に多様な飲食店や温泉施設など小売りだけではないコト消費を打ち出し、さらには開放的なリゾート感が演出され、家族の誰もがワンストップで楽しめる場所になっていることも挙げられます。

 

 3点目としては、失われた20年(30年?)と言われているように、あらゆるデータを見る限り日本という国が成長をしておらず、賃金も当然横ばいになっていること、つまり家計に余裕がなく、より安いものを志向する価値観が強くなっていることもあるでしょう。

 

 アウトレットモールは、利用者からすればいわゆるハレの場である百貨店や中心市街地の商業集積、普段使いの場であるイオンモールやゆめタウンなどスーパー系商業施設、ちょっとした買い物のコンビニやドラッグストアとは違った使い方、つまり小旅行やリゾートと同様のカテゴリーに分類されていると思われます。

 

 昨今、消費者はモノではなくコトや時間のよりよい消費を求めています。わざわざアウトレットモールに行かずとも、そこで買えるものと全く同じもの、あるいはそれ以上に品質も良く安いものが簡単にネットで手に入ります。

 

 それでも遠出してアウトレットに出向くのは、買い物以上の「何か」があるからでしょう。それが「開放的なリゾート感」や「多様な飲食店」や「温泉」や「遊園地」など、いずれにしても「非日常」を求めての行動であり、その役割をアウトレットモールが担っているからこそ市場として伸び続けているのでしょう。

 

 とはいえ、お金を使わない手軽な非日常ばかりでは、将来的な成長が望めないのでは…とも考えられます。お金をたくさん使えば解決するとは思っていませんが、「自分を成長させる投資としてのお金」はこの時代だからこそ気前よく使いたいですね。