ニュースの論点No.148 これってダメ?

 「古い商慣行、廃棄の引き金に」2020226日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「婦人服販売のレリアンが、取引先企業に支払う代金の不当な減額や返品をしたとして、公正取引委員会が下請法違反を認定、是正勧告した。」としています。

 

 ただ、取引先企業は「レリアンとは対等な関係で下請けいじめにはあたらない」としており、数十年にわたる取引を続けていく中で、両者がどういう関係性になっているのかは不明ですが、はたから見れば業界の「闇」を感じざるを得ません。

 

 公正取引委員会の発表資料によれば、レリアンは下請事業者に製造を委託している商品の一部について、売れ残った約65500万円分の商品の返品や、同社がセール時に店頭小売価格を引き下げるための原資を下請け業者に負担させる「マークダウン等による値引き」などによって約149100万円を不当に減額したとのことです。

 

 アパレル業界で同様の取引は当たり前のように存在し、これが下請法違反になるという認識すらない状態で数十年の間変わらず取引を続けてきた「ツケ」がようやく回ってきたということでしょう。

 

 自分たちの当り前が、周りからすれば「非常識」というのは意外とよくあることです。あまりに当たり前となっているために、自分たちの置かれた状況を全く疑わず、「私たちはいじめられていない」「逆にずっとよくしてもらっている」と本気で思ってしまいます。

 

 もちろんお互いが納得していればいいのかもしれませんが、今回は違法状態であり、公正取引委員会も入っています。見逃すわけにもいかないでしょうし、そもそも公取が入ったきっかけとして、何らかの「リーク」があったとも考えられます。

 

 公取も適当に調査に入ることはないでしょう。リークがなくとも噂くらいはいくらでもあります。そんな中で当事者たちが「今のままで問題ない」というのは、特にレリアンの取引先業者からすれば、「死活問題」となるからに他ならないからでしょう。レリアンのブランドが毀損される、あるいは最悪無くなることは、運命共同体である自分たち(売上の9割以上がレリアンという取引先も数社あります)も同時に淘汰される可能性があります。

 

 真相はわかりませんが、両者が「依存関係」にあったのは間違いないでしょうし、公取が入るくらいの「問題」があったのも事実でしょう。自分たちさえよければそれでいいという考え方は今の時代に合いません。特に今回の件は、商品の廃棄増を促進していた可能性もあります。

 

 近年はSDGs(持続可能な開発目標)という考え方も浸透しつつあります。悪しき慣行は改めていく時期に差し掛かっているのです。経営者として、人や仕組みを問わない積極的な新陳代謝をしていきたいものです。