ニュースの論点No.151 給付金って必要ですか?

 「政府、全国民に現金給付へ リーマン対策の12000円超す額で検討 新型コロナ対策」2020318日、毎日新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「政府・与党は17日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて4月にも策定する緊急経済対策として、国民1人ずつに現金を配る現金給付金を盛り込む調整に入った。」としています。

 

 当コラムもここ数回新型コロナウイルス関連の話をしてきました。今回もまたコロナ関連となってしまうのですが、政府の対策が気になったのでトピックとして挙げてみました。給付金といえば、皆さんもうすでに忘れているであろう、記事タイトルにもあるリーマンショック対策での定額給付金があります。

 

 20093月に施行されたこの給付金は、日本に住民票がある個人や適法に在留する外国人が給付対象となり、総額2兆円にのぼる大規模な施策となりました。しかしその効果のほどは‥ということで内閣府による資料を見たところ、定額給付金による消費増加効果は受給額12000円の25%。つまり3000円の消費増加効果。残りの9000円はおそらく貯蓄になったのでしょう。

 

 これを効果があったと見るのかどうなのか。当然、「無いよりはマシ」という声はあるのでしょう。しかし、他に使い道がなかったのか。私としては当時も意味がないと思っていましたが、振り返ってみても「全く必要なし」だったと思います。日本国民の8割以上は何に使ったか覚えていないでしょう。そういう私も言うに及ばず、全く覚えていません。給付金があったことすら言われて思い出す程度です。

 

 ということで、今回もおそらくムダな給付金となるでしょう。また貴重な税金が露と消えてしまいます。全国民にというのがナンセンスです。「広く浅く、誰にでも一律で。しかもたったの12000円」というのがもう思考停止の最たるものです。しかも09年、完全に失敗に終わっているにも関わらず同じことをやる。もう私にはよくわかりません。

 

 どうしても給付したいのであれば、賛否が出ても対象はもっと絞り込んで(本当に困っている母子家庭など)額を多くした方が良いでしょう。12000円では単なる小遣いです。ただ、それでも一番いいのは給付しないことだと思います。ほぼムダに終わるのですから。しかも09年は事務手続きに825億円かかっています。

 

 私は限りある財源を給付金などに使わず、インフラの老朽化対策に使ったほうが数百倍マシだと思います。新型コロナウイルスの感染拡大は脅威ですが必ず収束します。要は一時のモノです。経済的にはすでになされている対策で十分でしょう。12000円配る必要性は全くありません。

 

 今そこにある脅威に対し、一丸となって戦うことは重要ではありますが、その後の将来を考えることも同じくらい重要です。今回の給付案については、政府のセンスのなさが如実に表れているな…と感じた次第です。