ニュースの論点No.153 生き残るためには

 「強まる外出自粛 小売り休業 長期化懸念」202041日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、新型コロナウイルスの感染拡大により「小売りや外食などで営業時間短縮の延長や臨時休業を実施する動きが強まっている。」としています。

 

 三越伊勢丹では首都圏の6店舗で412まで土日休業することが決定しています。デニーズや大戸屋では2時間程度の閉店時間繰り上げをおこないます。ちなみに3月最終の土日は小池百合子東京都知事の外出自粛要請により都内で多くの店舗が休業していました。加えて330日の夜、都知事より改めて平日夜間を含めた外出自粛要請が出たことから、各企業がさらなる感染拡大防止に向け、週末でも休業や時短営業をせざるを得ない状況になっているのです。

 

 もちろん外出自粛「要請」であり、外出禁止命令ではないため強制力はありません(日本では法的に強制は無理)。店舗も諸外国のように営業禁止になっているわけではなく、営業の可否はあくまでも自らの判断に任せられています。

 

 店舗側には相当なジレンマとなります。もし金銭的余裕があれば店舗を休業するのが一番ですが、そんな余裕がある店はほとんどないでしょう。結局、多くの店が「開けても地獄、開けなくても地獄」の状態になっているのです。

 

 店舗経営者の皆さんは日々減っていくキャッシュを目の当たりにし、不安だけが大きくなっていきているのではないでしょうか。状況はそれぞれ違うため、すべての店に効果的な処方箋はありませんが、例外なく必ずすべきことは、「手元資金の調達」です。

 

 これはもう口を酸っぱくして何回もお伝えしています。店舗に限らず、すべての企業は「お金」が無くなったら終わりです。赤字というだけでは倒産しません。借入金が多くても倒産しません。債務超過になっても倒産しません。お金が無くなり、回らなくなった時が終了なのです。

 

 コロナウイルスの感染拡大はいずれ収束します。それまで維持できるくらいの「手元資金」は必要です。ですので、まずは市町村の窓口、日本公庫、信用保証協会、各金融機関に相談に行ってください。行く際は当然自社の決算書類(できれば過去3期分)と今期の試算表や売上の見通しをまとめた資料を持参してください。

 

 「借りたら返済が…」という声もあります。しかし、そんなことを心配している間に資金が枯渇したらそこでゲームオーバーです。自分なりに返済計画を考え積極的に動いてください。

 

 国の事業主に対する給付金などをあてにしている人もいると思われますが、まだ決定しておらず、決まったとしても給付されるのは相当先の話になります。当面の資金繰りのためには、融資が一番妥当で現実的な手段です。

 

 お金を借りることは恥ずかしいことではありません。真面目に経営をした結果、計画通りにお金を返せないことも「全面的な悪」ではありません。私に言わせれば、危機に対し何もせずただ傍観し、すぐにあきらめて会社を潰し、従業員を路頭に迷わせる経営者こそ「悪」です。今はカッコつけている場合ではありません。生き残るためには多少カッコ悪くとも様々な手段を取るべき時なのです。