ニュースの論点No.154 立ち止まらない

 「緊急事態宣言を発令 首相『接触8割減を』 新型コロナ 東京など7都府県 経財相『地域追加も』」202048日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「感染が急拡大している東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、福岡の7都府県が対象で実施期間は7日から56日まで。宣言が出たことで7都府県の知事は外出自粛や営業停止を要請する法的な裏付けを得たが各知事の判断は揺れている」としています。

 

 感染拡大防止のためにはやむを得ない判断だと思います。また、7都府県の他の地域についても追加する可能性が示唆され、緊急事態宣言が出された地域に関わらず日本全国に重大な影響を与えるのは間違いないでしょう。

 

 緊急事態宣言については、その法的効力が欧米に比べ貧弱であり、あまり意味がないとの意見も散見されます。しかしながら、私に言わせれば「大義名分」としての価値は十分にあります。乱暴な言い方をすれば日本人の「横並び信仰」「皆と同じで安心」「異質の排除」のメンタルが十分に発揮され、その良し悪しはともかくとして緊急事態宣言はしっかりと機能するのではないでしょうか。

 

 ただし、当然のことながら緊急事態宣言が機能すればするほど経済はゆっくりと蝕まれていきます。政府がいかに緊急経済対策を108兆円規模で行おうとも、半年、1年後には相当なダメージとして残ることは想像に難くありません。

 

 ほとんどの業種でダメージを負うことは誰の目にも明らかであり、まさに「生存競争」といえる状況です。自然界においても「変化に対応できないもの」から淘汰されていくのは自明の摂理となっています。

 

 厳しいことを言うようですが、政府の対策について文句ばかり言っている、あるいは補償だけを頼りにしているような事業主は遠くない未来、市場からそっぽを向かれるでしょう。結局、最後に頼りになるのは自分自身です。

 

 私は経営者たるもの、何があってもまずは「自力」で困難を克服する気概を持たなければならないと思っています。コロナ禍は誰にとっても脅威であり、不安でしかありません。そんな中でも他力本願にならず、できることを粛々と実行していくことが経営者には求められます。

 

 動けば不安も少しは解消されます。政府の補償も活用しながら、まずは出血を止め、資金を確保し、コロナ後を見極めた準備をおこなうこと。これが個人、法人に関わらず今やるべきことです。現状に絶望し、茫然自失にならないよう、ぜひ「動く」ことをおすすめします。