ニュースの論点No.156 こんな時こそ図太く生きる

 「中小テナント、家賃軽減、自民、補助金制度など議論」2020422日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「自民党は21日、新型コロナウイルスの影響を受ける事業者の家賃負担を軽減する支援策について検討を始めた」としています。

 

 支援策の内容については、不動産の所有者側ではなく、テナント側への支援として中小・零細企業に向けた補助金などが検討事項になっているということです。

 

 ここでテナント側の状況を数字から考えてみましょう。例えば飲食店の売上高における費用構成としては大まかに、食材費3040%、人件費3040%、家賃10%前後、水道光熱費10%前後、その他経費10%前後となります。

 

 今回のコロナ禍において、仮に店舗がまったく稼働しないことを考えれば、食材費はそれまでのロスが出るものの、新たな仕入はとりあえずゼロとなります。人件費について、社員は休業扱いとなり休業手当が発生しますが、雇用調整助成金を使うことでタイムラグはあるものの負担は軽減されます。またアルバイト・パートはそもそもシフト自体が成り立たないため人件費としてはほぼゼロ、水道光熱費は店舗が動いていなければかなりの少額になります。その他経費も言わずもがなでほとんどかかりません。店舗にとって残る問題は「家賃」だけなのです。

 

 海外ではすでに対応している国もあり、アメリカでは家賃滞納でも120日は延滞料を徴収せず、ドイツでは家賃滞納による解約禁止、さらに4月~6月までの家賃の2年間支払い猶予する施策をつくっています。

 

 日本では本記事のテナント側への補助金をはじめ、野党は不動産所有者が賃料の支払い猶予に応じた場合の支援策を法案提出すべく議論を進めています。野党案は政府系金融機関が貸主に賃料を補填し、貸主に代わって借り手から回収するスキームとなります。その他にも、国土交通省が「取引先の賃料を免除した場合の損失の税務上の取扱いの明確化」として通達を出しており、営業に被害が生じている間の賃料を減免した場合は寄付金とならず、全額損金算入が可能になると明確化しています。

 

 コロナ禍がいつまで続くかはわかりませんが、はっきりと言えるのは数か月できれいさっぱり無くなることは絶対にないということです。店舗経営者にとってはまさに死活問題であり、嵐が過ぎるまであらゆる防御策を講じ、まずは生き残ることが最優先です。政府の支援でも何でも、遠慮せず使い倒すべきです。

 

 今はカッコつけている時ではなく、地べたを這ってでもまずは「図太く生き残ること」を至上命題とすべきです。言い方は悪いですが、死んだらそこで終わりです。何もできません。生き残ればそこから新たな可能性の芽が生まれるのです。