ニュースの論点No.160 自粛警察を近づけない方法

 「自粛警察 危うい正義感 オミセシメロ 店を脅す貼り紙」2020518日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば「営業する店舗に貼り紙をして脅す。県外ナンバーの車に嫌がらせする。新型コロナウイルスの感染対策が続く中、私的に自粛を強いて攻撃する自粛警察と呼ばれる行為が目立つ。」としています。

 

 コロナ禍による自粛生活が続いている中、ストレスが溜まった末の行為だと思われますが、どうあれ正当化されるものではありません。定規で引いたような直線的な文字を使い貼り紙をするなど、匿名性を担保した卑劣な行為だと言わざるを得ません。

 

 自粛要請がある中での店舗の営業には当然賛否があります。しかし、まっとうな商売で密集や密接、密閉を避ける最大限の努力を行っている店舗に対して、営業を強制的にやめさせる権利は誰にもありません。接客を伴い濃厚接触になりえる夜の店ならまだしも、よくある普通の飲食店で、単なる一般人(かどうかはわかりませんが)が自粛を強要するのは行き過ぎた行為と言えるでしょう。

 

 店舗も何とか工夫を重ねながら営業しています。いくら給付金や補助金、助成金などがあったとしても、一時的なものであり、結局は売上を上げなければ数か月で潰れてしまいます。感染拡大防止に配慮しながら、一生懸命営業している中で、わけのわからない貼り紙をされた方には同情を禁じ得ません。

 

 経営者の方から、「営業してもしなくても文句を言われる…」を言うセリフを何回となく聞いた記憶があります。感染拡大防止と自分の生活…当然比べるのはこの二つだけではありませんが、相当なジレンマを感じながら決断を下さなければならないのです。

 

 苦渋の決断をしたにもかかわらず、心無い人からの誹謗中傷にさらされる…経営者としてやっていくには、不屈の精神が必要とされます(本当に)。中途半端な気持ちで開業した人はあっという間に潰されてしまうでしょう。

 

 とはいえ、今回のような「自粛警察」などに潰されるのは誰でも全くの不本意です。どこの誰だかわからない人からのいわれのない中傷など、本気で受け取る必要は全くありません。

 

 ここで最も重要なのは「理念」です。日和見主義が一番ダメです。日和見主義は自粛警察の栄養にしかなりません。自粛警察は言いやすい人にしか行かないのです。彼らを近づけないようにするには1本軸を通した経営が大前提であり、すべては理念にかかっています。「何のためにこの仕事をしているのか」迷った時はこの質問に立ち返って、誰から見ても、10年後から見ても恥ずかしくない決断をしてください。自粛警察は自然と近寄らなくなります。