ニュースの論点No.161 今後、元の生活に戻れるのか

 「7割経済 向き合う企業、車は世界販売2割減、外食は客席半分や値下げ」2020526日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。制限経済の中では当面の消費は7割程度にとどまりそうだとしており、実際、緊急事態宣言が解除された大阪や兵庫は平時に比べ67割の人出となっているとのこと。

 

 私の実感としては7割にも満たない印象ですが、ある程度戻りつつあるのは感じられます。とはいえ店舗ビジネス(それ以外にも)にとって厳しい状況は変わっておらず、経営者からは悲鳴に近い声が聞こえてきます。

 

 店を開けても以前のように満席にはできず、もちろんお客様を集めることも憚られ、消毒作業で効率は下がり、お金は出ていき先の見通しがまったく立たない。多くの経営者から同様の状況をお聞きしています。

 

 「どうすればいいか」という質問に対して、どの企業にも通用する正解はありません。一発逆転ホームランなどあるはずもなく、それぞれの企業ごとにやるべきことが変わり、当たり前のこと地道に行動していくのみとなります。

 

 業種によりダメージの程度は異なりますが、コロナ禍は世界全体に等しく降りかかってきています。コロナによって業績が上がっているところもありますが、私に言わせればすべて「たまたま」でしかありません。

 

 日常に戻れば、それまでの数値に戻る業種が多いでしょう。もちろんコロナを機会に広まったサービスが変化を加速させることはありますが(特にテレワーク関連)、大半は日常モードに切り替わり、普段通りの生活、消費行動に戻る可能性が高いと私は思います。

 

 先進的な人たちの中には「コロナ後は元の世界に絶対戻れない」と煽る方もいらっしゃいます。しかしこれまでのパンデミックの歴史を振り返っても、危機対応の方法は現在とあまり変わらず、感染が収束すればたいていの場合元通りの生活に戻ります(当時テレワークの技術はないので、今回はそのあたりの変化は多少あると思いますが)。

 

 飲食店が無くなるわけではなく、旅行に行かなくなるわけではなく、エンターテインメントが無くなるわけではなく、スポーツイベントが無くなるわけではなく…一時的にはストップしますが、必ず再開され、リアルでのサービスが強化され復活するでしょう。

 

 感染症では人と会うことがリスクとなり得ますが、人は社会性の動物であり、人と人がつながることで社会は発展してきました。つまり直接的に人と会うことは人間の根源的な欲求であり、リスクよりリターンの方が何倍も大きい行動です。今後、人と直接会うことがなくなることは絶対にありません。「画面越し」の関係で完結するのはほんの一部に過ぎないのです。今後変わるとすればその一部分がオンラインに置き換わるだけでしょう。

 

 ということで、店舗ビジネスをはじめ、苦戦を強いられている企業の方々にお伝えしたいのは、いつまでもこの状況が続くことはないということです。1年や2年は影響が残ると思われますが、いずれ元に戻ります(喉元過ぎれば熱さを忘れる)。

 

 経営者がまずすべきは、「生き残ること」です。無理なら早めに判断して次を考えることです。要は生き残るにはキャッシュが必要であり、なければ廃業も視野に入れるということです。今経営者に求められているのはその「決断」です。