ニュースの論点No.167 何が変わって何が変わらないのか

「マラソン大会 どこでも 誰とでも オンラインで開催 コース十人十色 数回で完走もOK202078日、日経MJはこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「新型コロナウイルスの影響でマラソン大会が相次ぎ中止になる中、オンラインマラソンが広がっている。期間内に決められた距離を走ってタイムなどをアプリで計測、共有するもので、参加者2万人規模から個人開催まで幅広い」としています。

 

 先駆けは3月の名古屋ウィメンズマラソンで、その後6月に東京ガールズマラソン、先々にも810月に東北・みやぎ復興マラソン、10月に山形まるごとマラソンなど参加者が数千人規模の大会から、個人での小規模なレベルの開催まで、様々な大会が催され、また予定されています。

 

 大会によって参加費の有無があり、完走者には参加賞が用意されることもあります。多くの大会では1日に一気に走り切るのではなく、数日、数回に分けたうえで、なおかつ自分の好きなコースを走ることができます。通常の大会より参加するハードルが低く、気軽にエントリーできるのも魅力となっているのでしょう。ウィズコロナ、アフターコロナの時代に合わせた、まさに新しい生活様式を体現するような動きだと感じます。

 

 参加者の中には自宅の部屋と部屋の間十数メートルを1700往復し、3時間あまりで完走した猛者もいるそうです。ここまでくると、もはやマラソンではない気がしますが。

 

 今般、コロナ禍により世界中で、「人が集まること」に制限がかかっています。仕事の仕方からプライベートの過ごし方まで、先端のIT技術を駆使しながらさまざまな新しい形が提案されています。本記事のオンラインマラソン大会もそのうちの一つといっていいでしょう。

 

 さて、仕事にしろ、プライベートにしろ、この人と接する機会を極力抑えた「新しい形」というのは定着するのでしょうか。もちろん非対面でもかまわないようなことは山ほどありますし、特にほとんどの「会議」や「研修」のようなものはリモートで行った方が良い場合が多く、実際にそうなっていく可能性が高いと思われます。

 

 一方で、今回のマラソン大会をはじめ、世界的なスポーツイベントなど比較的大規模なイベントや、身近なところでは結婚式やお葬式、地域のお祭り、歓送迎会や気の合う仲間との食事会などは、そもそもの建付け上、人が集まることが前提です。今は対症療法的にZoomを使用したり、ソーシャルディスタンシングや人数制限などで対策する他ありませんが、結局は対症療法であるため、自然と元の姿に戻ると考えられます。

 

 要するに何が言いたいのかというと、つまるところ、コロナ対策の中には「一過性の流行りモノ」が多く混ざっているということです。今回のオンラインマラソンは最たるもので、コロナ後は高い確率で忘れ去られていくでしょう。同様にオンライン飲み会、オンライン同窓会、オンラインキャバクラ、オンライン旅行、オンライン結婚式、オンライン葬式(あります)、オンライン祭りなどは、一部は残るかもしれませんが、ほとんどは傍流で終わるでしょう。

 

 ということで経営者の皆さん。これからは新しい時代が来る!すべてオンラインで人と会わずに完結するビジネスや趣味にだけ力を入れよう!今がチャンスだ!と安易にならないように気を付けましょう。変わるべき時は変わる必要がありますが、瞬間風速に踊らされると痛い目を見ることがあります。本質を見極める目を磨いていきましょう。