ニュースの論点NO.17 これからの時代、販売員は必要なのか?

日本経済新聞は2017818日、

「丸井、試着品だけの売り場

“購入はネット”広がる」という記事を掲載しました。

 

記事によれば、丸井グループは試着用の衣料品と

靴だけを置く売り場を来春までに東京の有楽町や

横浜など10店舗超に導入するということです。

 

プライベートブランド商品が対象で、

消費者は商品を試したうえでネット上で

購入でき、荷物を持ち帰りたくない

来店客のニーズに応えるほか、在庫負担をなくし

店舗の運営費用を圧縮するとのこと。

 

また、読売新聞では816日、

「話しかけられるのが嫌 声かけしない

接客サービス広まる」という記事を

掲載しています。

 

記事によれば、衣料品店や美容院、

タクシー業界などでお客様に対する

声かけを自粛する動きが広がっているとのこと。

 

記事中のアンケートでは、「服を買う時、そっとして

おいてほしいと感じたことがある」という設問に

「はい」と答えた人は8割を超えているそうです。

 

ネット通販やファストファッションなど接客を

必要としないスタイルが定着していることや、

販売員と客の情報格差がほぼなくなったことで

販売員自体の存在意義が薄まっていることが

この動きを後押ししているのは間違いないでしょう。

 

丸井店舗のフィッティングルーム化、

声かけ自粛の動きから抽象できることは

なんでしょうか。

 

気軽に試着がしたい。

サイズの確認ができればよい。

自由に商品が見たい。

必要ならばこちらから声をかける。

……

 

要は販売員が必要とされなくなっていると

いうことです。

 

販売員が全く不要になるということではなく、

何も価値を生み出さない店番のような販売員が

不要になる流れはどんどん加速していくでしょう。

 

昔から販売員は邪魔者扱いされてきました。

 

いきなり売り込みを始める。

なれなれしい。

必要な時にいない。

在庫を売りつける。

買わないと知ると態度が急変する。

そもそも商品知識がない。

などなど…

 

20年以上アパレル業界で仕事をし、その内実を

見て来ていますが、おおよそ8割の販売員は

邪魔者だと言われても仕方のない仕事ぶりです。

 

その仕事ぶりに対して、販売員の待遇や

教育面での会社の責任が問われることも

ありますが、私に言わせれば要因は

そこではありません。

 

たしかに販売員を使い捨てにするような、

いわゆるブラック企業は存在するのでしょうが、

せっかく入ってもらった社員に対して

わざわざ不当な扱いをするところは

ごく一部です。

 

それをもって販売員はブラックな仕事だとか

やってもいない人が無責任に散々言っていますが、

かなり迷惑な話です。

 

特にアパレル販売員の仕事は、

誤解を恐れずに言えば、1日の大半は

何もしていない時間です。

もちろん例外はありますが、

毎日毎週お客様がごった返すような店は

ごくごく1部です。

 

1日立ち仕事ではありますが、

極端なハードワークでもありません。

効率よく仕事を行えば、残業もほとんど

発生しません。

 

そんな中、簡単で華やかな仕事だと錯覚した

販売員自身の考えの甘さと向上心のなさ、

それに伴う無努力、不勉強といった状況が

蔓延しており、大半の販売員はまったく

実力がつきません。

そして実力がなくてもなんとも思っていません。

 

それでも待遇には不満を持つのです。

 

しかし自分の給料すら稼げていないような状況で、

なおかつ努力もしないような販売員の人たちは

生産性が低すぎ、またそれが上がる見込みもないので

待遇を上げたくても上げられないのです。

 

そして待遇が上がらなければどんどん

販売員はやる気をなくし、当然接客にも

それが出る。

 

挙句の果てにすぐに退職を切り出し、

別業種に転職するか、あるいは渡り鳥のように

違うアパレル店舗で働き始めます。

しかしながらその人自身の根本は変わって

いないため、やはりすぐにやめます。

 

そして何年もそれを繰り返し、経験年数だけは

増えていくものの、実力は付くはずもなく、

何年も同じような接客(とも言えないもの)を

繰り返します。

当然成果は出ないので、待遇も上がるどころか

下がっていきます。

 

これではお客様の満足する接客応対は

まずできません。

 

この8割の販売員は必ず淘汰されます。

近年のテクノロジーの進展はその流れを

必ず加速させます。

 

私は何もこの8割の販売員を

叩きたくて言っているのではありません。

 

お客様にとっても、販売員自身にとっても

何のプラスにもならないので、やるならしっかりと

やりぬく。努力も勉強も自発的にやる。

ただそれだけを言いたいのです。

 

2割の販売員は自ら勉強し、しっかりと成果を

残しながらキャリアアップをしていきます。

こういう販売員は会社からもお客様からも

求められます。当然待遇にも反映されます。

 

今後はこういったプロの販売員しか残れないでしょう。

また、お客様もそれを求めています。

それ以外はネットやAIのほうが満足度も

高くなります。

 

実店舗で必要なのは、観察、洞察を繰り返し、

お客様のわずかな反応を感じて見逃さず、

期待値を超えるサービスをすることです。

 

プロとはそのサービスを提供する能力を持つため、

磨くために不断の勉強と努力を行う人のことです。

 

繰り返しますが、今後店舗ビジネスでは

人から求められるプロフェッショナルだけしか

生き残れません。

 

店舗ビジネス経営者の皆さんの仕事は、

プロフェッショナルを育てる環境を

つくることです。

 

中途半端な店はこれから間違いなく

淘汰されていきます。

 

今後生き残るための戦略は立てていますか?

そしてそれを実践していますか?

あなた自身はプロフェッショナルとして仕事をしていますか?