ニュースの論点No.170 最初にやるべきこと

 「吉野家HD 今年度中に最大150店舗閉店へ 新型コロナで業績悪化」2020728日、NHK NEWS WEBはこう題した記事を掲載しました。記事によれば「牛丼チェーンの吉野家ホールディングスは、新型コロナウイルスの影響で休業したため業績が悪化し、今年5月までの3ヶ月間の決算が40億円余りの赤字になりました。会社では今年度中に最大で国内外の150店舗を閉店することを明らかにしました」とのことです。

 

 150店舗の内訳としては、吉野家が国内40店と海外50店、はなまるうどんが国内外の30店、京樽すしが国内の30店となっています。グループ内の店舗数は3300店舗であり、そのうちの4.5%が閉店することになります。

 

 店舗ビジネスに限らない話ですが、事業を行うには人件費、家賃、光熱費、交通費などの固定費がかかります。吉野家のような規模感であれば、今回のコロナ禍による売上消滅、減少のインパクトは凄まじく、それが23ヶ月続くとさすがに固定費を支払うためのキャッシュが持たなくなるのは容易に想像できます。

 

 1店舗のみで経営している事業者でもダメージが大きい中で、数百、数千店舗を持つ企業の固定費は相当に重く、売上が一気に減少するとあっという間に赤字、さらには資金難に陥ります。

 

 それでもコロナ収束後、元の状態に戻るのであれば現在の店舗数を維持することも意味があると思います。しかしながら、全く見通しは立たず、その上「新しい生活様式」や「業種別ガイドライン」などで店舗運営が制限され、収益性は間違いなく悪化します。店舗数が多ければ多いほどリスクも大きくなり、現時点で採算ぎりぎりの店舗を存続させるのは経営者にとってリスク以外の何物でもないでしょう。

 

 最終的には飲食店、またそれ以外の業態の店も採算が取れる店しか残せず、世の中の店舗数は一気に減少する可能性があります。中には採算が取れていたとしても、今後を悲観して店を畳む事業者は少なくないと思われます。

 

 暗い話が続きましたが、現実問題として一部ではすでに起こっていることです。コロナ禍は誰も避けては通れない「災難」であり、しかも一時的なものではなく継続して変革を求められる「試練」でもあるのです。

 

 経営者の皆さんは、早急に23割売上が減少してもやっていける仕組みを作る必要があります。なぜなら、お客様はすぐに戻らず、戻ったとしてもこれまで通りの運営方法ができないからです。つまり客数自体の減少と運営制限で売上は確実に23割落ちてしまうのです。

 

 今、大半の店舗経営者は生き残りをかけて必死にもがいています。ただし、もがくだけではなにも変わりません。まずは自店の現状を知り、経営資源(ヒトモノカネ情報など)のムダを把握してください。最初にやるべきは「コスト削減」です。それが変革の第一歩となります。