ニュースの論点No.177 リストラのその先

 「オリエンタルランド、正社員賞与7割減 ダンサー配置転換」2020914日、日本経済新聞はこう題した記事を掲載しました。記事によれば、「東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが約4000人いる正社員と嘱託社員の冬の賞与を7割削減することが14日、分かった。業務がないダンサーなど一部の契約社員には配置転換を要請し、合意できなければ退職などを促す」とのことです。

 

 また、同紙では915日、「USJ、アルバイトの一部契約更新せず コロナで来客急減」とする記事も掲載しています。東京ディズニーリゾートとUSJはいずれも日本屈指のテーマパークとして、コロナ禍までは業績も順調に推移していました。しかし、本年の2月末から6月まで約4ヶ月の休業が相当なダメージとなり、さすがにキャッシュが回らなくなってきたことで、記事にあるような対策を取らざるを得なかったのでしょう。

 

 加えて両パークとも、営業再開時から感染防止対策として入場者数を収容人数の半分以下に絞っています。どんなに頑張っても売上は半減するわけですから、人件費をはじめとした固定費を削減することは避けられない状況です。

 

 ちなみにオリエンタルランドでは正社員と嘱託社員が約4000人、アルバイトや契約社員が約2万人働き、USJの従業員は11000人でそのうちアルバイトが9000人とのことです。そのうちアルバイトや契約社員の一部が配置転換もしくは契約更新されず、働きたくても働けない状況となります。

 

 テーマパークのような「人」が核となる事業で、最前線の人材を削減することは、まさに苦渋の決断だったと思われます。しかし、コロナ禍の出口が見えない中、今後の事業継続のためには仕方がない面も多分にあります。

 

 私が最も気になるのは、リストラ対象となった方々の今後の動向です。テーマパークを含む「エンターテインメント」的な催しはすべての業種で難しい状況です。特にダンサーなど自身が持つ強みを生かす場所がない中での転職活動は、まったくモチベーションが維持できない辛い状態なのではないでしょうか。

 

 これから全く違うスキルを習得するにしても、人によってはなかなかハードルが高そうです。とはいえ、甘えたことばかり言っても仕方がありません。ピンチはある意味チャンスとも言えます。安っぽい自己啓発的な意見を言うつもりはありませんが、今持つ得意分野と新たなスキルを掛け合わせれば、希少性が高く非常に価値の高い人材となりえます。

 

 コロナ禍で思うような働き方ができなくなった方々には、現状をぜひ「次へのステップを踏み出すチャンス」として捉え、あきらめず前向きに時間を使ってほしいと思います。チャンスは自ら動くことでしか見いだせないと心しておきましょう。