ニュースの論点No.18 自動化は救いの神なのか

日本経済新聞は2017828日、

「中小の食品機械、街の飲食店を救う?

作業を効率化、人手不足補う」

と題した記事を掲載しました。

 

記事では、飲食店の人手不足や

人件費の上昇を背景に、旧来の食品加工

機械メーカーのほか、異業種からの

参入もあり、食品機械の市場が拡大していると

紹介しています。

 

事例として、焼き鳥の串刺し機やご飯盛り付け機、

ケーキがきれいに切れる超音波ケーキカッター

などが挙げられており、人手不足への対応策

として、一役買っているとのこと。

 

現在、飲食サービス業の有効求人倍率は3倍以上

とのデータもあります。東京ではさらに

倍率は高く、なんと7倍を超えています。

 

これは7社で一人を取り合う形です。

求職者から見れば完全な売り手市場であり、

選び放題の状態ですね。

 

この状況だと必然的に時給額は上がっていきます。

今後も人手不足がすぐに解消されることは

まず考えられないので、継続して上昇していく

でしょう。

 

であれば、人が雇えても人件費が経営を圧迫し、

人が雇えなければ今いるスタッフへの

負担が倍増し、いわゆるブラック企業への

道をたどることになります。

 

さしずめ、進むも地獄、退くも地獄、

前門の虎、後門の狼

といった感じでしょうか。

 

その一方で、人手不足により営業時間や店休日など

見直す動きも増えています。

 

これは大手や中小零細に関わらずそういう

動きになってきていますので、人手不足の

影響はかなり強いと言えます。

 

そんな中、冒頭のような食品機械の登場は

店舗のオペレーション負担を軽減することに

直接的につながり、結果的にはスタッフの

定着率を向上させることにもつながるでしょう。

 

ただ、何でもかんでも自動化や機械化すれば

良いと言えばいいかというと、そこは難しい

問題だと思います。

 

自社の強みとなる部分、特に店舗ビジネス

においては、“人”によるサービスが

機械に置き換わってしまうと、まったく

強みではなくなってしまい、スタッフの負担は

減ったものの今度はお客様が離れていってしまう、

といった笑えない事態になる可能性もあります。

 

また、機械を導入したはいいが、

結局人がやったほうが早かった、

逆に効率が悪くなったという事態も

起こりえます。

 

ですので、何のためにその機械を導入するのか、

導入する効果はどうなのか、をしっかりと

検証しておく必要があります。

 

効率化のために食品加工機械を導入して、

非効率になったり、お客様が離れていったり

するのはまさに本末転倒です。

 

確かに人手不足は店舗ビジネスにとって

死活問題です。

 

しかしだからと言って安易に自動化や機械化

をすればそれが解決するというのは

あまりにも短絡的であり、そんなうまい話は

ありません。

 

今は店舗ビジネスにとって、過渡期にあります。

 

何回もお伝えしていますが、

店舗ビジネスはいずれ

自動化セルフサービス型か、フルサービス型の

2極化することが考えられます。

 

自社がどちらの道を進むのか、という

戦略を考えるのは経営者しかいません。

 

その軸をしっかりと持って、

自動化や機械化による効率化を

おこなってください。

 

うまく使えば店舗の成長を助ける薬に

なりますが、

下手に使うと店舗の寿命を縮める毒にも

なりかねません。

 

御社にはその基準となる戦略はありますか?